XAU / USD4,164+1.43%ドル指数 DXY102.00−0.54%米10年金利5.10%−9bp実質金利 10Y2.78%−6bpWTI原油97.97+3.03%S&P 5007,744.06+0.33%日経22564,425.95−4.90%BTC / USD82,240+0.8%
No. 19 平日更新
2026年10月16日(金)
TEITEN 定点 資金の流れで読む、今日の市場
WEEK 39 09.21 — 09.25

第39週|世界同時の債券安で米10年は一時5.23%。金は週間−2%、株は金利を振り切って続伸

米10年債利回りは週初の5.0%から一時5.23%と2007年6月以来の水準へ、日本10年債も3.075%と1996年以来の高値をつけた。世界の国債が同時に売られた週に、金は約2%下げて4,290ドル前後で越週した一方、S&P 500は+1.2%、Nasdaqは+2.1%、日経225は+2.1%と株は上げて終えた。金利上昇の請求書は、金と小型株と暗号資産にだけ回っている。

Financial and Marketing M16 2026年9月26日(土) 発行 更新 2026-09-26 09:09 JST
今週の要点
  1. 米10年は週初5.0%から一時5.23%(2007年6月以来)、金曜は5.17%前後で越週。日本10年も3.075%と1996年以来の高値。
  2. 金は週間約−2%の4,290ドル前後。4,300を割り込み、4,230のネックラインで2度止まった。
  3. 株は金利高を振り切り週間上昇。S&P +1.2%、Nasdaq +2.1%、日経 +2.1%。ダウは金曜+479ドルで4週ぶり上昇。
  4. 原油は米イランのホルムズ協議で週後半に反落。WTIは92.41ドルと週間で6%超安、Brentは104ドル台と逆に上昇。
  5. VIX週末値・実質金利(TIPS10年)・米2年の終値は出所が割れ未確認。来週は9/30 PCE・10/2 雇用統計が焦点。

各資産の週次パフォーマンス

10 銘柄
  • 金(XAU/USD)4,289.70約−2.0%前週末4,378.63から下落。9/24に4,254まで下げ、4,230のネックライン手前で切り返した。金利高・ドル高の二重の逆風を最も素直に受けた資産。現物(Kitco系列)
  • WTI原油92.41−6%超週前半に4日続落、9/23に一度反発したが、金曜は米イランのホルムズ段階合意協議で−2.33%。週間の下落率は出所により−6.2〜−7%と割れる
  • Brent原油104ドル台約+2%WTIと逆行して週間上昇。フーシによるリヤド・ヤンブー攻撃が中東産に上乗せを残し、WTIとの差は12ドル超と5月以来の広さ。清算値は出所により104.32〜104.47で割れる
  • S&P 5007,743.41+1.2%9/23・9/24の続落を金曜の+0.51%で取り返した。10年が19年ぶりの水準にある週としては強い。ただし上げの中身は半導体・AIに偏る
  • Nasdaq総合27,068.72+2.1%9/22に最高値、9/23に−1.13%、9/24はOracleの不可抗力通知で−0.73%。振れを伴いながら週間では主要指数で最大の上昇
  • 日経22566,364.20+2.1%5連休明けから5日続伸(9/18起点)。金曜は+850円でTOPIXも+1.31%と裾野が広がった。日経VIは9/24に26.62へ急伸しており、上昇と警戒が同居
  • ドル指数 DXY101台前半上昇(幅は未確認)9/24に101.24と7月下旬以来の高値圏。2週連続の上昇とされるが、金曜終値は単一出所のため掲載を見送る。Fed高官のタカ派発言が一週間ドルを支えた
  • USD/JPY157.2前後週間は未確認9/24に158.96円まで円安が進んだが、金曜は日本政府の円安けん制で約1%の円高と2週間ぶりの大幅な円買い。前週末値が確認できず週間変化は出さない
  • 米10年債利回り5.17%前後約+16bp前週末5.004%。9/23に5.135%、9/25(金)に一時5.23%と2007年6月以来。30年は9/24に5.501%と2004年以来。曲線全体が上がった
  • VIX未確認—9/18は14.81、9/22は14.21。金曜終値は14.13と15.61で出所が割れ、確定できない。金利が19年ぶりの水準でも恐怖指数が大きく跳ねていない点だけは複数日の値で確認できる
テクニカル・レベル(週末時点)
  1. レジスタンス4,378.63前週末(9/18)終値。今週の下げの起点
  2. レジスタンス4,300心理的節目。9/23に割り込み、週末まで回復できず
  3. 現在値4,289.709/25(金)の現物(Kitco)。週間約−2%
  4. サポート4,2549/24の日中安値(第4号)。今週の底
  5. サポート4,2308/7と9/16の安値が重なるネックライン。今週は割れず
  6. サポート4,0004,230を割った場合に視野に入る心理的節目

週の核心テーマ

金利上昇の請求書が、金と小型株と暗号資産にだけ回った週だった。

米10年債利回りは前週末の5.004%から、金曜(9/25)に一時5.23%と2007年6月以来の水準に達した。9/24には30年債が5.501%と2004年以来、日本10年債が3.075%と1996年以来の高値をつけている。米国一国の利上げ観測ではなく、先進国の国債がまとめて売り直された週である。

ところが株は上げて終えた。S&P 500は週間+1.2%、Nasdaq総合は+2.1%、日経225も+2.1%。ダウは金曜に+479ドルと急伸し、4週ぶりの週間上昇となった。一方で金は約2%下げ、Russell 2000とBTCは週半ばに最も大きく売られた。

同じ金利ショックを受けながら、株価指数は半導体・AIへの集中で吸収し、利息を生まない資産と借入依存の資産だけが素直に値を下げた。週の前半にあった「原油安 → 金利低下 → 株高」の連鎖は、9/23に原油の反発とFed高官の発言で逆回転し、そのまま週末まで戻らなかった。

資金米・日国債ドル・短期金利

今週の主要イベント振り返り

① 原油の反落から反発、そしてホルムズ協議(9/21〜9/25)

週初はトランプ大統領の対イラン対話姿勢とサウジの輸出増で、WTIが94ドル割れまで4日続落した。インフレ期待が剥がれ、米10年は9/21に4.95%と5%を割った。これが週前半の株高の起点である。

9/23にはディーゼルの輸出規制観測で原油が5日ぶりに反発し、押し下げ役が消えた。金曜は米イランがニューヨークでホルムズ海峡の段階的な再開を協議していると伝わり、WTIは−2.33%の92.41ドルで引けた。ただしフーシによるリヤドとアラムコのヤンブー施設への攻撃が続き、Brentは104ドル台と週間でむしろ上昇している。

原油安金利低下の連鎖は週前半だけで終わった

WTIとBrentの差が12ドル超まで開いたことは、中東の供給リスクが解消したのではなく、米国内と中東で値付けが割れていることを示す。

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② Fed高官のタカ派発言と、米日の国債の同時安(9/22〜9/25)

9/16に3年ぶりの利上げ(3.75〜4.00%)を決めたあとも、Fed高官はタカ派を崩さなかった。9/23のバー理事の発言で10月利上げの観測が7割前後に上がり、9/24にはNY連銀ウィリアムズ総裁を含む3人が揃って追加利上げに前向きな発言をした。CME FedWatchで見た10月利上げの確率は約73%まで上昇している。

これに9月の米PMIの強さが重なり、金利上昇は「インフレ期待」と「景気の強さ」の両方から支えられた。日本10年債も9/24に+10bpの3.075%と連れ高している。金曜のミシガン大学消費者信頼感(確報)は48.1と低いままだったが、1年先の期待インフレ率は4.6%と高く、金利を押し下げる材料にはならなかった。

金曜の米10年は一時5.23%をつけたあと5.17%前後で引けた。週間で約16bpの上昇であり、この週の資金移動のすべての起点になった。

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③ Oracleの不可抗力通知と、株の金曜の切り返し(9/24〜9/25)

9/24、OracleがOpenAI・SoftBankと進める165億ドル規模のデータセンター計画について取引先に不可抗力を通知したと伝わり、同社株は下落した。金利とは別筋の「AI設備投資の資金繰り」への警戒が、この日から市場に加わった。

それでも金曜の株は崩れなかった。S&P 500は+0.51%の7,743.41、Nasdaq総合は+0.5%の27,068.72、ダウは+478.64ドルの51,828.62。半導体株が強く、10年が5.2%台をつけた日に指数はそろって上げている。日経225も金曜に+850.21円の66,364.20円と5日続伸し、TOPIXも+1.31%と上げ幅が揃った。

株は金利上昇を「業績を損なうほどではない」と判断した。ただしOracleを起点とする信用の問題は金曜の上昇で消えたわけではなく、来週以降に持ち越している。

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今週の資金フロー構造

原油米国債ドル・短期金利 / 金・小型株・BTC半導体・AI

第一の流れは、原油から米国債への一時的な移動と、その巻き戻しである。週初は原油のリスクプレミアムが剥がれ、インフレ期待の後退を通じて資金が債券に入った(米10年4.95%)。9/23に原油が反発しFedがタカ派を重ねると、債券は一転して売られ、資金はドルと短期金利へ移った。週末の米10年5.17%前後、DXYの7月下旬以来の高値圏がその着地点である。

資金米国債ドル・短期金利

第二の流れは、金利を生まない資産と金利に弱い資産からの流出である。金は週間約2%下げ、4,300ドルを割った。9/23には株が全面安となり、下げ幅はダウ → S&P → Nasdaq → Russell 2000の順に大きく、金利感応度の序列そのままだった。BTCは週初に87,000ドル台まで買われたあと、金利上昇とともに84,000ドル前後まで押し戻された。9/22に金が下げてBTCが上がったのに対し、9/23以降は両方が下げている。BTCは希薄化ヘッジではなく、金利に弱いリスク資産として振る舞った。

資金金・小型株・BTCドル・短期金利

第三に、株の内部で金融株から半導体・AIへの集中が進んだ。9/22にNasdaqが最高値をつけた日、JPMorganとBank of Americaは3%超下げた。原因は金利ではなく投資銀行手数料の減速という固有の問題である。指数を支えたのは半導体という単一テーマで、金曜の切り返しも半導体が主導した。Oracleの不可抗力通知は、この集中が抱える弱点(AI設備投資の資金繰り)を初めて具体的な形で見せた。

資金金融株半導体・AI関連

もう一点、日本側の動きを記録しておく。ドル円は9/24に158.96円まで円安が進んだあと、金曜に日本政府の円安けん制を受けて約1%戻し、157円台前半で越週した。日本10年債が1996年以来の水準にあっても円は買われず、円を動かしたのは金利差ではなく当局の発言だった。

総括:世界の国債が売られた週に、指数としての株は上がり、金は下がった。金利上昇の痛みは資産全体に均等には配られず、利息を生まないものと借入に頼るものに集中した。

なお、次の指標は複数ソースで突き合わせても確定できず、本稿では「未確認」とした。VIXの金曜終値(14.13と15.61で出所が割れる)、実質金利(TIPS10年、9/24時点の値は単一出所)、米2年債の金曜終値(4.856%と4.81%で割れる)、DXYの金曜終値(単一出所)、ドル円の週間変化率、BTCの週間変化率。また第5号(9/25)に掲載した9/24のBrent 96.84ドルは、今回突き合わせた他の出所(週間で約+2%、金曜104ドル台)と整合しない。次の日次で確認する。

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来週の備え(9/28〜10/2)

最重要イベント

9/30(水)の米8月PCEと、10/2(金)の米9月雇用統計。10月27〜28日のFOMCを前に、10月利上げ(織り込み約73%)の確度を決める材料がこの2つに集まる。どちらかが上振れすれば、米10年は今週の高値5.23%を試しに行く。

10/1(木)の米ISM製造業は、今週の金利上昇を支えた「景気の強さ」の側を確かめる指標になる。同じ日の朝には日銀短観が出る。

なお、9/30を期限とする米国の政府閉鎖リスクは、9月初めに12月11日までのつなぎ予算が成立しており、来週の材料にはならない。

国内政治・政策の波乱要因

最大の焦点は円安けん制の実効性である。金曜は日本政府の発言で円が約1%戻したが、日米の金利差は縮んでおらず、米指標が上振れれば158円台後半への再接近はありうる。7月に日米が協調して行った介入のスタンスを維持すると日本側は表明しており、発言がどこまで実弾を伴うかが円相場の上値を左右する。

10/1の日銀短観は、日本10年債が3%台にある局面で企業の価格転嫁と設備投資の意欲を確かめる材料になる。

地政学シナリオ

米イランのホルムズ海峡の段階的再開協議が進めば、Brentのリスクプレミアムがさらに剥がれ、インフレ期待を通じて金利の上昇圧力を和らげる。これは今週前半の「原油安 → 金利低下 → 株高」の連鎖を再現する経路である。

反対に、フーシによるサウジ施設への攻撃が続き協議が停滞すれば、Brentは今週の高値圏に留まり、WTIとの12ドル超の差も縮まらない。今週の経験からいえば、原油の反発は金利の上昇を通じて、金には逆風として効いた。地政学の緊張が必ずしも金の追い風にならない点に注意が要る。

日経・円の焦点

日経225は5日続伸で66,364円と、9月10日以来の65,000円台を固めた。金曜はTOPIXも+1.31%と上昇の裾野が広がった点は前週(日経だけ上げてTOPIXが下げた)からの改善である。一方で日経VIは9/24に26.62まで跳ねており、上昇と警戒が同居している。

来週は、金曜の円高(157円台前半)が輸出株に効くかと、米指標を受けた米金利の方向が焦点になる。

予想レンジ:上限 67,500円 〜 下限 64,800円

レンジは編集部の想定で、上限は今週の上げ幅(約1,350円)を来週も延ばした場合、下限は週初の65,000円台を明確に割り込む水準として置いた。

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来週のシナリオ

3 案
Bull Case上振れ

8月PCEと9月雇用統計がともに鈍化し、米イランのホルムズ段階合意が前進する

10月利上げの織り込み(約73%)が後退 → 米10年が5.1%を割る → ドルが101を割って反落 → 金利・ドルの逆風が同時に外れる

価格目処4,300の回復、続いて前週末終値4,378

Base Case基本

指標がおおむね市場予想の範囲に収まり、10月利上げ観測が7割前後で横ばい

米10年は5.1〜5.25%で高止まり → ドルは101台で膠着 → 金は4,300が上値、4,230が下値のレンジで方向感を欠く

価格目処4,230〜4,300のレンジ

Bear Case下振れ

PCEまたは雇用統計が上振れし、10月利上げがほぼ確実視される

短期金利が上昇 → 米10年が週高値5.23%を上抜け → ドルが9/24高値101.40を更新 → 金は4,230のネックラインを割る

価格目処4,230割れ、下は4,000まで目立った支持帯なし

来週の主要スケジュール

★ は最重要
  1. 9/28(月)
    • 米国:主要な経済指標の発表なし
  2. 9/29(火)
    • 米8月JOLTS求人件数
    • 米ケース・シラー住宅価格指数
  3. 9/30(水)
    • ★米8月PCE物価指数・個人所得・個人支出
    • 米ADP雇用統計
    • 米4-6月期GDP(確定値)
  4. 10/1(木)
    • ★日銀短観(9月調査、08:50 JST)
    • ★米9月ISM製造業景況指数
  5. 10/2(金)
    • ★米9月雇用統計
Market Bias(来週)

中立〜弱気寄り。金は金利とドルの逆風が続くなかで4,230を2度守ったが、4,300を取り返せていない。方向を決めるのは9/30のPCEと10/2の雇用統計で、ホルムズ協議は原油経由の二次的な材料と見る。実質金利(TIPS10年)が確定できていない点は、判断の精度を下げる要因として残る。