XAU / USD4,353.23−0.57%ドル指数 DXY100.37+0.15%米10年金利4.95%−4bpWTI原油94ドル割れ4日続落S&P 5007,767+1.6%日経22565,018.95休場
No. 2 平日更新
2026年9月22日(火)
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No. 2 2026年9月22日(火)

油安が主導、米10年5%割れ。金は4,350ドル台で足踏み

原油の4日続落がインフレ期待を剥がし、米10年債利回りは5%を割った。株はこれを追い風に8月上旬以来の大幅高。一方でFedは3年ぶりの利上げ後もタカ派を崩さず、ドルは7週ぶり高値圏を維持している。金は金利低下という追い風と、ドル高・地政学プレミアム剥落という逆風の綱引きで方向を決めきれていない。

Financial and Marketing M16 2026.09.22 発行 更新 13:13 JST
XAU / USD
4,353.23
−0.57%
ドル指数 DXY
100.37
+0.15%
米10年金利
4.95%
−4bp
WTI原油
94ドル割れ
4日続落
S&P 500
7,767
+1.6%
日経225
65,018.95
休場
本日の要点
  1. 起点は原油。4日続落でインフレ期待が後退し、米10年は5%割れ。
  2. Fedは3年ぶり利上げ後もタカ派。DXYは100.37で7週ぶり高値圏を維持。
  3. 金は金利低下(追い風)とドル高・地政学プレミアム剥落(逆風)の綱引きで足踏み。
  4. 東京は国民の休日で休場。5連休中の海外変動は9/24の寄りに一括で反映される。
  5. 実質金利(TIPS10年)は本稿時点で未確認。名目のみでの判断である点に留意。

2026/09/22 13:13 JST


Macro Theme

原油安 → インフレ期待の後退 → 名目金利の低下 → 株高、という一本の連鎖が市場を動かしている。ただしFedがタカ派を崩さないためドルは落ちず、金は金利低下の恩恵を受け切れていない。


Market Drivers

① 中東の外交進展期待

トランプ大統領が国連の場でのイランとの対話に前向きな姿勢を示し、イエメンへの爆撃を当面見送った。米中央軍によればホルムズ海峡の原油・LNG通航量は6ヶ月ぶりの高水準で、主要航路の機雷除去も完了している。

② インフレ期待の剥落

サウジの9月輸出が大幅増と報じられ、原油は4日続落。WTIは先週高値から約8%安の94ドル割れ、Brentも100ドルを割った。インフレ再燃懸念が後退し、債券が買われた。

③ Fedのタカ派姿勢は不変

Fedは前回会合で3年ぶりとなる25bpの利上げに踏み切り、政策金利は3.75〜4.00%。CME FedWatchでは年内あと1回以上の利上げ確率が88%。ミネアポリス連銀カシュカリ総裁は「インフレは石油ショックの範囲を超え、サービス分野にも広く及んでいる」と述べている。


金利(起点)

米10年債利回り:5.01%(9/18)→ 4.95%(−4bp)

原油安によるインフレ期待の後退が、そのまま名目金利の低下として現れた。10年債が5%の大台を割ったことが、この日の株高の直接の起点になっている。

ただし実質金利(TIPS10年)は本稿執筆時点で確認できていない。名目の低下がどこまで実質側で起きているかが、金の評価を左右する。ここは次回の定点で埋める。

資金株・短期資金米国債

情報元:


ドル

DXY:100.37(+0.15%)。前週につけた約7週ぶりの高値100.56の水準を維持している。

金利が低下したにもかかわらずドルが落ちない。これが本日の構図で最も重要な点である。通常、名目金利の低下はドル安要因だが、利下げではなく利上げサイクルの途中での金利低下であるため、金利差の縮小として読まれていない。市場はFedの次の一手を見に行っている。

資金新興国通貨・資源国通貨ドル

情報元:


商品

WTI:94ドル割れ(4日続落、先週高値から約8%安)

Brent:100ドル割れ

金:4,353.23(前日終値4,378.23、−0.57%)。日中レンジ 4,349.33〜4,383.44

原油の下落要因は、地政学リスクそのものの後退ではなく供給不安の後退である。サウジの輸出増とホルムズ通航の正常化という、実物フローの改善が効いている。戦争が終わったわけではない。

ゴールドの三軸

実質金利:名目の低下は追い風。ただし前述のとおり実質側の寄与は未確認。

ドル:DXYが7週ぶり高値圏にあり、明確な逆風。金利低下のプラスを相殺している。

地政学:外交進展期待でリスクプレミアムが剥落。金にとってはマイナス。

なぜ戦争が続いているのに金が上がらないのか。 答えは、金が織り込んでいるのが「戦争そのもの」ではなく「戦争によるインフレと供給途絶」だからである。ホルムズが通航し、サウジが増産している以上、その経路は細っている。

金は 4,313〜4,376 のレンジ内での推移が想定されている。方向を決めるのは地政学ヘッドラインではなく、実質金利の分解結果になる。

資金株・米国債(小幅)

情報元:


S&P 500:7,767(+1.6%)。Nasdaq総合は27,139(+2.3%)で、8月上旬以来の大幅高。半導体株が主導した。

日経225:65,018.95(9/18終値、+882.70、+1.38%)

東京市場は9/19から9/23まで5連休で、本日9/22は国民の休日により休場。TOPIXは9/18時点で4,091.14(−0.07%)と、日経との乖離が出ている。指数を押し上げたのが値がさハイテクに偏っていたことを示す。

資金エネルギー株ハイテク・半導体

情報元:


今日の資金フロー

原油米国債ハイテク株

供給不安の後退が原油を売らせ、その資金とインフレ期待の剥落が債券を買わせ、金利低下がハイテク株を買わせた。3段のバトンリレーである。

リスクオンだが、全面的なリスクオンではない。ドルが売られていないこと、金が小幅安にとどまり崩れていないことが、その証拠になる。市場は「インフレ懸念の後退」は買っているが、「Fedの引き締め終了」はまだ買っていない。

総括:インフレトレードの巻き戻しであって、金融緩和の織り込みではない。


マーケットポジション(中期の歪み)

最大の歪みは、金利が低下しているのにドルが高いままという点にある。

利下げ局面の金利低下ならドル安を伴う。今回は利上げサイクル途中の、原油起因の金利低下である。したがってこの組み合わせは、原油が反発すれば即座に解消される性質のものだ。

株はこの一時的な組み合わせを恒久的なものとして買い上がっている可能性がある。エネルギー株から資金が抜け、ハイテクに集中している点も、偏りの度合いを示している。


Next Flow(短期)

シナリオA:中東の外交が実際に前進する

原油続落インフレ期待さらに後退金利低下継続株高継続

金は地政学プレミアムの剥落が実質金利低下を上回り、4,300割れを試す。

シナリオB:外交が頓挫し、ホルムズが再び不安定化する

原油急反発インフレ期待再燃金利上昇株安

金は実質金利上昇(マイナス)と地政学(プラス)が相殺し、意外に動かない可能性が高い。

シナリオC:Fed高官がさらにタカ派に傾く

短期金利上昇で利回り曲線がフラット化ドル一段高金は明確な逆風で4,300割れ

株はハイテク主導の上昇が止まる。最も株にとって厳しい経路。


Market Bias(短期)

ややリスクオン。ただし土台は原油1本に依存している。

最優先の監視項目は3つ。

  • 原油の下げ止まり水準(反発すれば連鎖が逆回転する)
  • 実質金利(TIPS10年)の分解結果
  • Fed高官発言のトーン

本日の市場スケジュール(JST)

  • 東京市場:休場(国民の休日)。9/19〜9/23が5連休、再開は9/24(木)
  • 日経225先物:海外市場では取引継続。連休中の海外変動は9/24の寄り付きに一括で反映されるため、窓を開けやすい
  • 米国市場:通常取引

2026/09/22 13:13 JST 時点。主要トリガーは原油、実質金利、Fed高官発言。

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