XAU / USD4,273−0.71%ドル指数 DXY101.24+0.34%米10年金利5.223%+9bp実質金利 10Y未確認—WTI原油94.76+2.82%S&P 5007,670.98−0.45%日経22565,513.99+0.76%BTC / USD83,900台−2%程度
No. 5 平日更新
2026年9月25日(金)
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No. 5 2026年9月25日(金)

2026/09/25(金)|世界同時の債券安が加速。米10年5.223%、日本10年は1996年以来の高値。金は4,273へ切り返す

米10年債利回りが5.223%と2007年6月以来の高水準を更新し、日本10年債も3.075%と1996年8月以来の高値に達した。世界の国債が同時に売られるなか、Oracleのデータセンター向け不可抗力通知がAI設備投資の信用リスクに新たな警戒を広げている。金は前号の日中安値4,254ドルから4,273ドルへ切り返し、支持帯4,230ドルを維持した。

Financial and Marketing M16 2026.09.25 発行 更新 07:22 JST
XAU / USD
4,273
−0.71%
ドル指数 DXY
101.24
+0.34%
米10年金利
5.223%
+9bp
実質金利 10Y
未確認
—
WTI原油
94.76
+2.82%
S&P 500
7,670.98
−0.45%
日経225
65,513.99
+0.76%
BTC / USD
83,900台
−2%程度
本日の要点
  1. 米10年債利回りが5.223%まで上昇し2007年6月以来の高水準。30年債は5.501%で2004年以来の水準に達した。
  2. 日本10年債利回りも3.075%と1996年8月以来の高値。米国だけでなく世界的な債券売りが同時進行している。
  3. Oracleが165億ドル規模のAIデータセンター計画で不可抗力を通知。AI設備投資向け信用に新たな警戒が広がった。
  4. Brent原油はサウジのパイプライン再稼働観測で4.77ドル安の96.84ドルへ。WTIは94.76ドルと対照的に上昇した。
  5. 金は前号の日中安値4,254ドルから4,273ドルへ切り返し、支持帯4,230ドルのネックラインを維持している。
テクニカル・レベル
  1. レジスタンス4,304.119/23終値の水準。戻りの最初の関門(据え置き)
  2. レジスタンス4,300心理的節目。9/24も回復できず
  3. 現在値4,2739/24 usagold終値。前号の日中安値4,254から切り返し
  4. サポート4,2308/7と9/16の安値が重なるネックライン。9/24も割れず
  5. サポート4,0004,230を割った場合に視野に入る心理的節目

2026/09/25 07:22 JST


Macro Theme

世界の国債市場が、米国だけの物語では収まらなくなってきている。

米10年債利回りは5.223%まで上昇し、2007年6月以来の水準に達した。同じ日、日本の10年債利回りも3.075%まで上がり、1996年8月以来の高値を付けている。前号までは「米金利がインフレ期待と景気の強さの両輪で押し上げられている」という米国内の話として書いてきたが、日本側の金利まで30年ぶりの水準に達したことで、これは一国の金融政策観測にとどまらない、先進国の国債市場全体が同時に再評価される局面に入ったと見るべきである。

そこに、性質の異なるもう一つのリスクが重なった。Oracleが、OpenAI・SoftBankと連携する大型AIデータセンター計画「Project Jupiter」(165億ドル規模)について、取引先に不可抗力を通知したと伝わった。金利上昇という「マクロの重し」に、AI設備投資向けの与信という「個別の信用不安」が同じ日に浮上した格好である。

資金米・日国債(世界同時安)ドル・現金性資産

Market Drivers

① 米・日の国債利回りが同時に上昇

米10年債利回りが前日比で大きく上昇し5.223%(2007年6月以来)。30年債は5.501%まで上昇し、2004年6月以来の水準に達した。

日本10年債利回りも3.075%(1996年8月以来)へ上昇し、金利上昇が米国単独の現象ではなく先進国の国債市場全体に広がっていることを示している。

② Fed高官が揃ってタカ派発言

NY連銀のウィリアムズ総裁がロンドンで「年内にもう一段の利上げは妥当」と発言。この日は3人のFed高官が揃ってタカ派寄りの発言をした。

CME FedWatchで見た10月利上げの織り込み確率は約73%まで上昇。前号時点の「7割前後」から一段と切り上がった。

③ Oracleの不可抗力通知がAI信用不安を呼ぶ

Oracleが165億ドル規模のAIデータセンター計画「Project Jupiter」(Stargate、OpenAI・SoftBank関連)について不可抗力を通知。Oracle株は3%超下落した(一部ソースは7%近い下落とも報じており、下落幅の特定は次号で確認する)。

同社の与信に絡むBlue Owl等の信用リスク(CDS)が過去最高水準に達したと伝わり、金利上昇とは別筋の「AI設備投資の資金繰り」への警戒が市場に加わった。

金利上昇の理由に加え、AI関連の信用という新しい火種が同じ日に浮上した点が、前号までと最も違う。

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金利(起点)

米10年債利回り:5.223%(2007年6月以来の高水準)

米2年債利回り:4.941%(+4bp程度)

日本10年債利回り:3.075%(+10bp)。1996年8月以来の高値

実質金利(TIPS10年):5営業日連続で未確認

前号で「実質金利の欠落は媒体の弱点」と書いた通り、今号も複数ソースで突き合わせられる確定値が得られず、単一ソースの参考値(2.8%台)のみのため掲載を見送った。名目金利が2007年以来の水準に達している局面で実質金利側を追えていないのは、金の評価にとって致命的な欠落であり続けている。FREDのDFII10を定点の取得元として確定させる作業は依然として持ち越しである。

日本10年債が1996年8月以来の水準に達した点は、前号までの「ドル円158円台は輸入インフレの再燃」という指摘と地続きである。日本の金利上昇は本来は円買い要因になり得るが、目先はドル全体の強さに押されている。

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ドル

DXY:101.24(+0.34%)。7月下旬以来の高値圏

USD/JPY:158.96円(+0.44%)

NY連銀ウィリアムズ総裁を含む3人のFed高官が同日にタカ派寄りの発言をし、ドルを支えた。前号の「金利高でねじれが正常化した」という構図がそのまま続いている。

ドル円は158円台後半まで進み、前号で指摘した「輸入インフレの再燃」がさらに強まる方向にある。日本10年債利回りが1996年以来の水準に達したにもかかわらず円が買われていない点は、日米の金利差そのものより、Fedの利上げ観測の強さが優越していることを示す。

資金世界の国債ドル・現金性資産

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商品

WTI:94.76ドル(+2.60、+2.82%)

Brent:96.84ドル(−4.77)

金:4,273ドル(usagold系列、前号終値4,304.11から−0.71%)

Macro Drivers(三軸)

実質金利:未確認(5営業日連続の欠落)。名目金利は上昇しており実質側も切り上がっている可能性が高いが、確認できていない

ドル:DXY 101.24(7月以来の高値圏)。金にとって逆風が続いている

地政学:サウジアラビアがホルムズ海峡を迂回する東西パイプラインの再稼働を準備していると伝わり、Brentが4.77ドル下げた。一方でイラン・米国間の国連総会での協議は共同声明に至らず終了しており、2026年2月以降続くホルムズ海峡を巡る紛争そのもの(IEAが「石油市場史上最大の供給途絶」と位置付ける事態)が解消したわけではない

資金フロー結論

WTIが上昇する一方でBrentが下落するという、通常は同方向に動く2つの指標がこの日は逆行した。パイプライン再稼働のニュースはBrent(欧州・中東系ベンチマーク)に直接効き、WTI(米国内需給)にはより間接的にしか効かないための乖離とみられる。金は名目金利の上昇という逆風のなかでも、前号の日中安値4,254ドルを下回らずに切り返しており、4,230ドルのネックラインを死守した形である。

資金国債安・ドル高金(逆風) / ホルムズ海峡のリスクプレミアムBrentから一部剥落

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株

S&P 500:7,670.98(−35.05、−0.45%)

Nasdaq総合:26,740.69(−195.34、−0.73%)

ダウ平均:51,350(−162、−0.31%)

Russell 2000:未確認(複数ソースを突き合わせたが9/24分の確定値が得られず)

日経225: 65,513.99(+0.76%、9/24終値を継続掲載。東京市場は本稿執筆時点で未寄り付き)

下げ幅は前号(9/23)のS&P −0.75%・Nasdaq −1.13%・ダウ −0.68%と比べていずれも縮小した。金利上昇のペース自体は前日より緩まなかったが、株の下げの反応はやや鈍った。

その一方で、Oracleの不可抗力通知はハイテク・AI関連の与信不安という、金利とは別筋の重しを持ち込んだ。前号では「小型株ほど金利感応度が高く売られやすい」と書いたが、今回はAI設備投資の資金繰りという個別要因がNasdaqの重荷に加わっている点が前号までと違う。日経225は本稿執筆時点で未寄り付きだが、前号で報告した9/24終値(+0.76%)から一夜明け、米金利のさらなる上昇とドル円158円台後半を織り込んでの寄り付きになる。

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Crypto

BTC:83,900ドル台(24時間で−2%程度)

実質金利・Nasdaqとの連動という前号までの観察が継続している。Fedのタカ派発言と10月利上げ観測の上昇を受け、金利に対する高デュレーション資産として株と同方向に売られた。

金が名目金利の逆風下でも4,230ドルを死守して切り返した一方、BTCには明確な切り返しの兆しが乏しい。前号で「BTCは希薄化ヘッジではなく高デュレーション資産として動いている」と書いた構図が、この日も継続している。

資金BTC・ハイテク株ドル・短期金利

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Volatility

VIX:15前後(前日比で上昇。ただし複数ソースで9/23分・9/24分の日付表記が食い違っており、どちらの終値かは次号で確認する)

日経VI:26.62(+2.29、+9.41%)。9/24、3連休明けの取引で急伸

日経VIの急伸は、連休中に海外で進んだ金利上昇・株安を一括で織り込んだことの表れである。前号で「連休明けの日経225は上昇したが午後に上げ幅を削った」と書いたが、VIの急伸はその値動きの裏にあった警戒感を裏付けている。

VIXの日付が特定できていない点は、前号の「実質金利の欠落」と並ぶこの媒体のもう一つの弱点である。次号で確定させる。

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今日の資金フロー

米・日国債世界の実質金利ドル・現金性資産
資金米国債・日本国債ドル・短期資産
資金AI関連の信用(Oracle周辺)質への逃避(一部)
資金ホルムズ海峡のリスクプレミアムBrentから一部剥落

世界の国債が同時に売られるなかで、金利に敏感な資産(小型株、BTC、金)はいずれも逆風にさらされた。ただし金は前号の安値4,254ドルを守って切り返しており、株の下げ幅も前日より縮小した。純粋な金利ショックに加えて、Oracleを起点とするAI信用不安という別筋のリスクが今日から市場に加わった点が、前号までとの最大の違いである。

総括:世界同時の債券安に、AI設備投資向けの信用不安が重なった一日。金は逆風下でも支持帯を守っている。


マーケットポジション(中期の歪み)

最大の歪みは、米国だけでなく日本の金利まで30年ぶりの水準に達したことにある。前号では米30年債(2007年以来)を中期の歪みとして挙げたが、日本10年債が1996年以来の水準(3.075%)に達したことで、これは一国の金融政策観測では説明しきれない、先進国の国債市場全体の再評価局面に入った可能性がある。

もう一つの歪みは、金利ショックとは性質の異なるAI設備投資向けの信用不安である。Oracleの不可抗力通知と、それに連なるBlue Owl等のCDSの過去最高水準は、金利上昇が株安を引き起こす従来の経路とは別に、「AI投資の資金繰りが行き詰まる」という新しい波及経路が生まれつつあることを示している。この経路が広がるかどうかは、次号以降の重要な観測点になる。


Next Flow(短期)

シナリオA:ホルムズ海峡の緊張緩和が続く

サウジのパイプライン迂回や米・イラン協議の進展が続くBrentのリスクプレミアムがさらに剥落インフレ期待の伸びが鈍る金利上昇が一服金は4,300ドルの回復を試す

ただしホルムズ海峡そのものの紛争(2026年2月以降)は解決していないため、剥落は部分的にとどまる可能性が高い。

シナリオB:Fedのタカ派姿勢がさらに強まる

10月利上げの織り込み(現在73%)がさらに上昇米・日の金利が揃って上振れドル高継続金は4,230ドルのネックラインに再接近する

前号から続く最も蓋然性の高い経路。

シナリオC:AI関連の信用不安が波及する

Oracle周辺のCDS悪化がAI関連の他の与信にも広がるハイテク株中心にリスク回避が強まる国債への質への逃避が金利上昇の一部を打ち消す株安が金利低下をもたらす経路

この場合、金は逆風が一部外れる。


Market Bias(短期)

弱気寄りを維持。ただし株の下げ幅は前日より縮小しており、Oracleを起点とする信用不安が波及するかどうかが次の焦点。

最優先の監視項目は3つ。

  • Oracle周辺のAI関連信用不安が他の与信に波及するか
  • 金の4,230ドルネックライン。前号・今号と2営業日連続で死守している
  • 実質金利(TIPS10年)とVIXの日付特定。5営業日連続の欠落はこの媒体の弱点

本日の市場スケジュール(JST)

  • 東京市場:通常取引。前日までの米・日金利上昇とドル円158円台後半を織り込んでの寄り付き
  • 米国市場:通常取引
  • 注目:ホルムズ海峡を巡る米・イラン協議の進展、Oracle関連の信用市場の反応、Fed高官発言の続報

2026/09/25 07:22 JST 時点。主要トリガーはホルムズ海峡情勢、Fed高官発言、Oracle関連の信用市場。