XAU / USD4,062+1.13%ドル指数 DXY102.36+0.39%米10年金利4.99%−1bp実質金利 10Y2.64%−2bpWTI原油99.90−1.83%S&P 5007,722.60+0.60%日経22563,268.37+1.73%BTC / USD80,816+0.98%
No. 27平日更新
2026年10月28日(水)
TEITEN定点資金の流れで読む、今日の市場
No. 272026年10月28日(水)

2026/10/28(水)|金は4,062ドルへ続伸(+1.13%)。WTIは99.90ドルと100ドルを割り、AnthropicのIPO申請が続いてNasdaqは+1.18%

10/27の米国は、原油の続落とAI株の買いが2日続いた。WTI12月限は99.90ドル(−1.83%)と100ドルを割り、Brent12月限は113.88ドル(−1.67%)。Nasdaqは+1.18%、日経平均は4日ぶりに+1.73%と反発した。実質金利は2.64%へ2bp下がり、金はUSAGOLDの読み取りで4,062ドルと4,024ドルを上抜いた。FOMCの結果は日本時間10/29 3:00。

Financial and Marketing M16編集:村瀬 一郎2026.10.28 発行更新 08:30 JST
XAU / USD
4,062
+1.13%
ドル指数 DXY
102.36
+0.39%
米10年金利
4.99%
−1bp
実質金利 10Y
2.64%
−2bp
WTI原油
99.90
−1.83%
S&P 500
7,722.60
+0.60%
日経225
63,268.37
+1.73%
BTC / USD
80,816
+0.98%
本日の要点
  1. 金の現物はUSAGOLDの読み取りで4,062.32ドル(10/27 17:03 山岳部時間)、10/26確定値4,017.08ドルから+1.13%。10/22確定値の4,024ドルを上抜いた。
  2. 原油は2日続落。Brent12月限は113.88ドル(−1.93ドル)、WTI12月限は99.90ドル(−1.86ドル)で清算し、WTIは100ドルを割った(Reuters、Bloomberg)。
  3. 米国株はAI関連の買いが2日続いた。Nasdaqは26,477.81(+1.18%)、S&P500は7,722.60(+0.60%)、ダウは52,377.57(+0.03%)。VIXは17.52。
  4. 米10年債は4.99%(−1bp)、実質金利は2.64%(−2bp)、2年債は4.70%(+2bp)(財務省)。ドル指数は読み取りで102.36(10/27 18:04 ニューヨーク時間)、ドル円は157.94円。
  5. 日経平均は63,268.37円(+1.73%)と4日ぶりに反発。BTCは80,816ドル(10/28 08:05 JST時点)と8万ドル台へ戻した。BTC現物ETFの10/27分の資金フローは未確認。
テクニカル・レベル
  1. レジスタンス4,14110/21のUSAGOLD確定値(4,140.75ドル)。10/22の急落の直前の水準
  2. レジスタンス4,12510/20のUSAGOLD確定値(4,124.85ドル)
  3. レジスタンス4,068Kitcoが挙げた最初の抵抗(4,068〜4,079ドル)。10/27はこの手前で止まった
  4. 現在値4,06210/27 17:03 山岳部時間のUSAGOLD読み取り(4,062.32ドル)。確定値は翌号で照合する
  5. サポート4,02410/22のUSAGOLD確定値(4,024.38ドル)。10/27に上抜いた。上抜けが本物かを試す水準
  6. サポート4,01710/26のUSAGOLD確定値(4,017.08ドル)
  7. サポート3,99610/23のUSAGOLD確定値(3,996.18ドル)。4,000ドルを割って引けた日の水準
  8. サポート3,97510/23の日中安値の近辺(約3,975.23ドル、Reuters、FinanceFeeds経由)。7月20日以来の安値

2026/10/28 08:30 JST(10/27の米国セッションを扱います)


Macro Theme

10/27の米国は、前日の流れがもう一日続いた日だった。テヘランでの協議を受けた原油の売りが続き、Brent12月限は113.88ドル(−1.67%)、WTI12月限は99.90ドル(−1.83%)と、WTIは100ドルを割って清算した(Reuters、Bloomberg)。株はAnthropicのIPO申請で戻ったAI関連の買いが続き、Nasdaqは+1.18%、S&P500は+0.60%。ダウは+0.03%とほぼ横ばいだった。

資金フロー今日の流れ
  1. テヘランでの 協議が続く
  2. WTIは 100ドル割れ
  3. AI株の買いが 2日続く
  4. 金は 4,024ドル超え
協議とIPO申請テヘラン・Anthropic
原油の続落 WTI 99.90ドル
AI株の買い Nasdaq +1.18%
実質金利が低下 TIPS10年 2.64%
金は続伸 4,062ドル(読み取り)
東京は反発 日経平均 +1.73%

協議が続いて原油が下げ、AI株の買いが続いた。実質金利が小さく下がり、金は4,024ドルを上抜いた

前日と違ったのは金利と金である。米10年債は4.99%と5%を割り、実質金利は2.64%へ2bp下がった。金はUSAGOLDの読み取りで4,062.32ドル(+1.13%)と、10/22確定値の4,024ドルを上抜いた。ドル指数は読み取りで102.36と上げており、金はドル高の逆風の中で上げた。一方で2年債は4.70%へ2bp上がった。10月の消費者信頼感指数(91.7)と9月の耐久財受注(+1.8%)がともに強く、FOMCを前に短い年限の利上げの見方は残っている。

資金原油売り(WTI 99.90ドル)/ AI株買い(Nasdaq +1.18%)/ 長期債小幅買い(10年債 4.99%)/ 金買い(4,062ドル)

Market Drivers

① 原油の続落:WTIは100ドルを割る

Brent12月限は−1.93ドルの113.88ドル、WTI12月限は−1.86ドルの99.90ドルで清算した(Reuters(Investing.com経由)、Bloomberg(Rigzone経由)で一致)。前日にサウジアラビア・トルコ・パキスタンがテヘランでイランの当局者と協議し、協議を続けることで合意したことが、供給への不安を和らげた(Reuters、Yahoo Finance経由)。米国のガソリンとディーゼルの先物も3%近く下げた(Bloomberg)。

一方で、Bloombergは、Brentの期近2限月の差(プロンプト・スプレッド)が1バレル約5ドルと、1週間前の3.69ドルから広がり、強い逆ざやが続いていると伝えた。足元の需給が締まっているという見方は変わっていない。

外交の動きが2日続けて原油を押し下げた。ただしフーシ派のサウジへの攻撃は止まっておらず、逆ざやの拡大は現物の逼迫を示している。下げは協議の見通しに乗った値動きと読める(推測を含む)。

② AI関連の買いが2日続く

AnthropicのIPO申請で戻ったAI関連の買いが続き、Nasdaqは+1.18%(Yahoo Finance)。エヌビディアは、メタが前日に示した最大950億ドルの資金調達のうち、株式の募集に30億ドルを投じると発表した(同)。オラクルは、グーグル・Cerebras・SambaNovaのAI半導体を自社のクラウドに加えると発表した(同)。決算では、UPSが通期の見通しを引き上げ、コカ・コーラも利益の見通しを引き上げた(同)。

AIへの資金の流れは、期待から具体的な出資と調達の話へ移りつつある。ダウが+0.03%にとどまったように、買いはハイテクに偏っている。

③ 強い指標とFOMC:短い年限が上がる

10月の消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)は91.7と、9月の84.2から7.5ポイント上がった(コンファレンス・ボード)。ガソリン価格の下落が寄与したと同ボードは説明している。9月の耐久財受注(速報)は+1.8%の3,454億ドル(米国勢調査局)。FOMCは10/27から2日間の会合に入り、Yahoo Financeによれば今回の利上げの織り込みは約10%にとどまる。

指標の強さは2年債を押し上げたが、長い年限と実質金利はむしろ下がった。原油の下げが長い年限のインフレ懸念を和らげた形である(推測を含む)。

情報元:


金利(起点)

米10年債利回り:4.99%(10/27、財務省 日次イールドカーブ。10/26の5.00%から−1bp。FRED DGS10の10/26分5.00%は前号の値と一致)

金利長い金利だけが下がった
米10年債4.99%▼ −1bp2年債との差は29bp
実質金利2.64%▼ −2bp
FOMCを前に短い年限は重い

10年債は4.99%、実質金利は2.64%へ下がった。2年債は4.70%へ上がり、差は29bpへ縮んだ。強い指標で利上げの見方は残る。

定点米10年債利回り直近20号
高 5.31%10/6 安 4.96%10/23 10/28 4.99%

米2年債利回り:4.70%(10/27、財務省。10/26は4.68%で+2bp)

米30年債利回り:5.30%(10/27、財務省。10/26は5.31%で−1bp)

日本10年債利回り:2.824%(10/26、財務省の最新掲載分。10/23は2.837%で−1.3bp。10/27分は未掲載)

実質金利(TIPS10年):2.64%(10/27、財務省 実質利回りカーブ。10/26の2.66%から−2bp。FRED DFII10の10/26分2.66%は前号の値と一致)

期待インフレ率(10年BEI):2.35%(10/27時点、FRED T10YIE。10/26分は2.34%で+1bp)

10年債の小さな低下は、すべて実質金利の低下だった。期待インフレ率は2.35%と1bp上がり、原油の下げは期待インフレ率を押し下げていない。2年債は+2bpで、2年と10年の差は32bpから29bpへ縮んだ。強い指標を受けて、短い年限には利上げの見方が残る。日米の金利差は10/26の値どうしで約2.18ポイント(5.00% − 2.824%)と、10/23の約2.16ポイントからわずかに開いた。

資金名目4.99%(−1bp)実質2.64%(−2bp)+ 期待インフレ2.35%(+1bp)(10/27)
資金米国債長い年限は小幅買い(10年 −1bp、30年 −1bp)/ 短い年限は小幅売り(2年 +2bp)

情報元:


ドル

DXY:102.36(10/27 18:04 ニューヨーク時間の読み取り、Yahoo Finance DX-Y.NYB。10/26終値101.96から+0.39%)。10/27の終値を伝える報道は見つからず、日中の値(102.00〜102.20前後)しか出ていないため、読み取りを時刻つきで載せる。翌号で確定した終値と照合する。前号で読み取り102.03と載せた10/26は、終値101.96で確定した

定点ドル指数(DXY)直近20号
高 102.5310/15 安 101.039/28 10/28 102.36

USD/JPY:157.94(10/27 ニューヨーク17時、10/26の157.48から+0.29%、Yahoo Finance JPY=X 1時間足)

EUR/USD:1.1128(10/27 ニューヨーク17時、10/26比−0.43%、Yahoo Finance EURUSD=X 1時間足)

ドルは102台を保って上げた。金利が動かない中で、強い消費者信頼感とFOMC・ECB・日銀の会合を前にした調整と読める。FXStreetは、ユーロがFedとECBの決定を前に対ドルで続落したと伝えた。ドル円は157円台後半へ上げた。

資金ドル小幅買い(DXY 102.36、読み取り)/ 円小幅売り(157.94円)/ ユーロ売り(1.1128ドル)

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商品

WTI:99.90ドル(−1.86、−1.83%、12月限の10/27清算値、Reuters(Investing.com経由)・Bloomberg(Rigzone経由)で一致)

定点金(XAU/USD)直近20号
高 4,2809/28 安 3,99610/26 10/28 4,062ドル

Brent:113.88ドル(−1.93、−1.67%、12月限の10/27清算値、Reuters・Bloombergで一致)。Yahoo Finance BZ=Fの読み取りは109.43ドル(10/27 18:46 ニューヨーク時間)で、1月限の値とみられる(Proactive Investorsも1月限を110ドル前後と伝えた)。12月限の値下がりとしては読まない

金(現物):4,062.32ドル(10/27 17:03 山岳部時間、USAGOLD価格履歴の読み取り。10/26確定値4,017.08ドルから+45.24ドル、+1.13%)。前号で読み取り4,012.20ドルと載せた10/26は、4,017.08ドルで確定した(10/23確定値3,996.18ドルから+0.52%)。BullionVaultは、10/27のロンドン午前の値決めが約3,997ドルと7/20以来の4,000ドル割れになり、その後4,030ドルへ戻したと伝えた

金先物(COMEX期近):読み取り4,077.00ドル(10/27 18:52 ニューヨーク時間、Yahoo Finance GC=F。10/26終値4,038.40ドルから+0.96%。参考値)

銀先物(COMEX期近):読み取り54.540ドル(10/27 18:52 ニューヨーク時間、Yahoo Finance SI=F。10/26終値54.108ドルから+0.80%)

プラチナ先物:読み取り1,546.70ドル(10/27 18:51 ニューヨーク時間、Yahoo Finance PL=F。10/26終値1,536.70ドルから+0.65%)

銅先物:読み取り6.6580ドル/ポンド(10/27 18:48 ニューヨーク時間、Yahoo Finance HG=F。10/26終値6.5080ドルから+2.30%)

Macro Drivers(三軸)

実質金利:2.64%へ−2bp。小さいが追い風

金実質金利の低下が追い風に
軽い側
  • 実質金利 2.64%(−2bp)
  • 原油 99.90(−1.83%)
重い側
  • 金
XAU/USD4,062ドル▲ +1.13%4,068ドル(Kitcoの最初の抵抗)の手前

ドル高の逆風の中で、実質金利と原油の下げが金を押し上げた。

ドル:102.36(読み取り)へ+0.39%。逆風

地政学:テヘランでの協議で原油は続落。フーシ派のサウジ攻撃は続いている

資金フロー結論

ドル高の逆風の中で、実質金利の低下と原油の下げが金を押し上げた。10/27のロンドン午前の値決めでは4,000ドルを割っており、そこから1日で切り返した(BullionVault)。前号で見たとおり、この局面の金は「原油 → 金利」を通じて動いており、原油が2日続けて下げたことで売りの理由が一つ外れた(推測を含む)。銀は+0.80%、プラチナは+0.65%、銅は+2.30%と、10/27は貴金属と銅がそろって上げた(いずれも読み取り)。

需給の面では、中国の個人の金の買いが強まる一方、北米の金ETFからの流出が続いている(BullionVault、Bloomberg経由)。前週の世界の金ETFは約13トンの減少で、6月下旬以来の大きな流出だった(同、World Gold Councilの集計)。

資金原油の続落実質金利の低下金の買い戻し、4,024ドルを上抜く(ドル高は逆風)

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株

S&P 500:7,722.60(+45.83、+0.60%)(10/27終値、Yahoo Finance ^GSPC。FRED SP500の10/26分7,676.77は前号の値と一致)

注目恐怖指数の日米
  • VIX▼ −4.73%米国は17台へ低下
  • 日経VI▼ −19.73%東京は27台へ急低下

Nasdaq総合:26,477.81(+308.43、+1.18%)(10/27終値、Yahoo Finance ^IXIC)

ダウ平均:52,377.57(+15.99、+0.03%)(10/27終値、Yahoo Finance ^DJI)

日経225: 63,268.37円(+1,078.72円、+1.73%、10/27終値、Yahoo Finance ^N225)

米国は2日続けてNasdaqが最も上げ、ダウはほぼ横ばいだった。AI関連と半導体の買いが続く一方、景気に敏感な銘柄への広がりは小さい。Yahoo Financeは、10月は半導体が売られ生活必需品が買われた月だったが、10/26からその流れが反転したと伝えた。

東京は10/27、前日の米国のAI関連株高を受けて4日ぶりに反発し、約1週間ぶりに63,000円を回復した(株探)。上げのうち約601円はアドバンテスト1銘柄によるもので、プライム市場では値下がり798銘柄が値上がり704銘柄を上回った(株探、TBLアドバイザリー)。指数は戻したが、買いは一部の値がさ株に偏っている。

資金AI関連・半導体買い(Nasdaq +1.18%)/ 景気敏感株横ばい(ダウ +0.03%)/ 日本の半導体株買い(日経平均 +1.73%、10/27)

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Crypto

BTC:80,816ドル(10/28 08:05 JST時点、CoinGecko)。10/27のUTC 0:00の基準値80,029ドルから+0.98%。基準値は10/26の80,049ドルから10/27の80,029ドルへ−0.02%と、下げはいったん止まっていた

Nasdaqの+1.18%に、BTCも小さく付いていった。前号で8万ドルを割ったが、8万ドル台へ戻した。ただし金の+1.13%と比べると戻りは小さく、代替資産の中ではまだ金のほうが強い。

現物ETFの資金フローは、10/26分が+110.3百万ドルの流入(米国の現物ETF合計、Farside)。前号で未確認とした分で、10/23の−137.9百万ドルの流出から流入へ戻った。10/27分は表に±0.0百万ドルと出ているが、集計の途中とみられるため未確認とする。

資金BTC小幅買い(8万ドル台を回復)/ 現物ETF流入(10/26 +110.3百万ドル)/ ハイテク株買い

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Volatility

VIX:17.52(10/27終値、10/26の18.39から−0.87、−4.73%、Yahoo Finance ^VIX。FRED VIXCLSの10/26分18.39は前号の値と一致)

日経VI:27.66(10/27終値、10/26の34.46から−6.80、−19.73%、Yahoo Finance ^NKVI.OS)

MOVE指数:97.87(10/27終値、10/26比−4.22%、Yahoo Finance ^MOVE)

米ハイイールド債スプレッド:3.30%(10/26時点、FRED BAMLH0A0HYM2。10/23の3.38%から−8bp)

東京の恐怖指数が大きく下がった。日経VIは−19.73%と、2日で38台から27台へ下がった。日米の比は約1.6倍と、前号の1.9倍から縮んだ。米国債のMOVEは100を割り、FOMCを前にしても債券市場の緊張は高まっていない。HYスプレッドも縮み、株高はクレジットの改善を伴っている。

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今日の資金フロー

テヘランでの協議原油の続落実質金利の低下金の4,024ドル上抜け、AI株の買いは2日目
資金原油売り(WTI 99.90ドル、Brent 113.88ドル)
資金AI関連・半導体買い(Nasdaq +1.18%、日経平均 +1.73%)
資金長期債小幅買い(10年債 4.99%、実質金利 2.64%)/ 金買い(4,062ドル)/ ドル小幅買い(102.36、読み取り)

総括:前日の「売りの休止」から一歩進み、原油の下げが実質金利に届いて金が4,024ドルを上抜いた。ただし2年債は上がり、ドルも強い。強い指標を受けたFOMCが12月の利上げを示唆すれば、上抜けは一日で戻されうる。


マーケットポジション(中期の歪み)

最大の歪みは、短い年限と長い年限の向きの違いである。2年債は強い指標で上がり、10年債と実質金利は原油の下げで下がった。FOMCが短い年限の見方(利上げ)に寄れば、長い年限の低下も戻され、金の追い風は消える。

二つ目は、金の価格とポジションの向きの違い。金は4,024ドルを上抜いたが、北米の金ETFからの流出は続き、投機筋の買い越しも前週まで8週続けて減っていた(前号、BullionVault)。今回の上げを支えたのは原油の下げと実質金利の低下で、西側の資金はまだ戻っていない(推測を含む)。

三つ目は、原油の先物の形と価格の向きの違い。期近の価格は2日続けて下がったのに、Brentの期近2限月の差は1週間で約5ドルへ広がった。協議が途切れれば、前週の上げを取り戻す余地は大きい。


Next Flow(短期)

シナリオA:4,068ドルを越え、4,125ドルを試す

FOMCが12月の利上げに踏み込まない実質金利が2.6%台前半から2.6%を割る方向へ下がり、ドル指数が102を割る金はKitcoの最初の抵抗4,068ドルを越え、10/20確定値の4,125ドルを試す

シナリオB:4,024ドルを割り込み、4,000ドルを試す

FOMCが「タカ派的な据え置き」で12月の利上げを示唆する2年債が上がり、実質金利が2.7%近くへ戻る金は上抜いた4,024ドルを割り込み、10/23確定値の3,996ドルと4,000ドルの節目を試す

シナリオC:4,024〜4,068ドルにとどまる

FOMCが12月の判断をデータ次第とし、市場の見方を変えない実質金利は2.6%台で動かず、原油は110〜115ドル(Brent12月限)で落ち着く金は4,024〜4,068ドルの中で、10/29のGDP・PCEとECB・日銀の結果を待つ

Market Bias(短期)

中立。原油の下げと実質金利の低下で金は4,024ドルを上抜いたが、2年債は上がりドルも強い。10/28のFOMCが12月の利上げをどう扱うかで、上抜けが続くかが決まる。

最優先の監視項目は3つ。

  • 政策:10/28のFOMC(据え置き予想、日本時間10/29 3:00)。12月の利上げへの示唆が実質金利と2年債を動かすか
  • 金:Kitcoの最初の抵抗4,068ドルを越えるか。下は10/22確定値の4,024ドルと10/26確定値の4,017ドル
  • 原油:WTIが100ドルを割ったまま保つか。テヘランでの協議が続くか。フーシ派のサウジ攻撃は止まっていない

本日の市場スケジュール(JST)

  • 10/28 FOMC政策金利の発表(日本時間10/29 3:00)、アルファベット・マイクロソフトの決算
  • 10/29 米7〜9月期GDP速報・9月PCE、ECB理事会、アマゾンの決算
  • 10/29〜30 日銀金融政策決定会合、展望レポート
  • 11/3 米中間選挙

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2026/10/28 08:30 JST 時点。主要トリガーはテヘランでの協議で99.90ドルと100ドルを割ったWTI、2.64%へ下がった実質金利、AI関連の買いが続いて+1.18%となったNasdaq、4,062ドルで4,024ドルを上抜いた金。