XAU / USD4,063+3.39%ドル指数 DXY101.51−0.35%米10年金利4.90%−5bp実質金利 10Y2.64%−1bpWTI原油88.12−8.29%S&P 5007,688.62+1.58%日経22562,188.63−1.42%BTC / USD77,385+0.88%
No. 33平日更新
2026年11月5日(木)
TEITEN定点資金の流れで読む、今日の市場
No. 332026年11月5日(木)

2026/11/05(木)|民主党が上下両院を制し、金は4,063ドルへ3.39%高。WTIは8.29%安の88ドル台、ダウは+3.03%、米10年債は4.90%へ低下

11/3の中間選挙で民主党が上下両院の多数を確保し、市場はイラン戦争の終結に近づくと読んだ。WTIは88.12ドル(−8.29%)と3日続けて下げ、期待インフレ率の低下で米10年債は4.90%へ下げた。ドルは売られ、金は読み取りで4,063ドルと3.39%上げた。ダウは+3.03%、日経平均はAI規制への懸念で−1.42%だった。

Financial and Marketing M16編集:村瀬 一郎2026.11.05 発行更新 08:30 JST
XAU / USD
4,063
+3.39%
ドル指数 DXY
101.51
−0.35%
米10年金利
4.90%
−5bp
実質金利 10Y
2.64%
−1bp
WTI原油
88.12
−8.29%
S&P 500
7,688.62
+1.58%
日経225
62,188.63
−1.42%
BTC / USD
77,385
+0.88%
本日の要点
  1. 中間選挙で民主党が上下両院の多数を確保した(AP・CNBC)。バンス副大統領は「負けた理由は戦争だ」と投稿し、市場はイラン戦争の終結に近づくと読んだ。
  2. WTIは88.12ドル(−8.29%)、Brentは94.62ドル(−8.67%)と3日続落(CNBC)。期待インフレ率は2.26%へ−4bp、米10年債は4.90%へ−5bp、実質金利は2.64%へ−1bp(財務省)。
  3. 金はUSAGOLDの11/4の読み取りで4,063.34ドル、11/3確定値3,930.14ドルから+3.39%。ドル指数は読み取りで101.51(−0.35%)。銀先物は読み取りで+5.52%。
  4. ダウは+3.03%、S&P500は+1.58%、Nasdaqは+1.44%。防衛・石油株とエヌビディアは下げ、半導体株指数は−3.13%。日経平均はAI規制への懸念で−1.42%の62,188.63円(日経)。
  5. ADP雇用統計は8.6万人増、ISM非製造業は54.5。12月の利上げ確率は約8割のまま(CME FedWatch、Reuters配信)。日経VIの11/4終値とBTC現物ETFの11/4分は未確認。
テクニカル・レベル
  1. レジスタンス4,08411/3にKitcoが挙げた2つ目の抵抗
  2. レジスタンス4,068Kitco(11/4 AMレポート)が挙げる最初の抵抗
  3. 現在値4,06311/4 USAGOLDの読み取り(4,063.34ドル、16:06 山岳部時間)
  4. サポート4,000節目。10/29確定値4,023.23ドルの下
  5. サポート3,975Kitcoが挙げる最初の支持。11/3まで抵抗だった水準
  6. サポート3,871Kitcoが挙げる2つ目の支持。10/30確定値3,875.20ドルのすぐ下

2026/11/05 08:30 JST(11/4の米国セッションを扱います)


Macro Theme

11/3の中間選挙で、民主党が上下両院の多数を確保した(AP、CNBC)。バンス副大統領は11/4に「負けた理由は戦争だ」と投稿し(CNBC)、市場はトランプ政権がイランとの戦争の終結に動きやすくなったと読んだ。WTIは88.12ドル(−8.29%)、Brentは94.62ドル(−8.67%)と3日続けて下げ、3日でWTIは104ドル台から16ドル近く下げた。

資金フロー今日の流れ
  1. 民主党が 上下両院
  2. 原油は 8%超安
  3. 期待インフレ 2.26%へ
  4. 金は 4,063ドル
民主党が上下両院バンス氏「負けた理由は戦争」
原油の急落 WTI 88.12ドル
ドル安・金利低下 米10年 4.90%
金・銀は急伸 読み取り4,063ドル
ダウは急伸 ダウ +3.03%
防衛・AIは売り 半導体株指数 −3.13%

選挙の結果を、市場は戦争の終わりと財政の歯止めの両方として読んだ

原油の急落で期待インフレ率は2.26%へ4bp下げ、米10年債は4.90%へ5bp下げた(財務省)。一方で実質金利は2.64%と1bpしか下げず、12月の利上げ確率は約82%のまま残った(CME FedWatch、Reuters配信)。下がったのはインフレの見通しで、利上げ観測ではない。ドル指数は読み取りで101.51(−0.35%)と売られ、金はUSAGOLDの11/4の読み取りで4,063.34ドルと3.39%上げて、4,000ドルの節目を取り戻した。

株はダウが+3.03%と大きく上げたが、中身は割れた。防衛株と石油株、エヌビディアは売られ、病院株と再生可能エネルギー株が買われた。東京は11/4の日中に結果を受け、AI規制への懸念から半導体株が売られて日経平均は−1.42%だった(日経)。

資金原油・防衛株売り(WTI −8.29%、ロッキード −6.88%)/ 米国債買い(10年 4.90%、期待インフレ 2.26%)/ 金・銀買い(金 4,063ドル、銀 +5.52%)

Market Drivers

① 民主党が上下両院を制し、戦争の終結が意識された

APは民主党が上院と下院の多数を確保したと伝えた(Spectrum News、AP配信)。CNBCは下院で250議席超、上院で54議席以上の見通しとしたが、アラスカとミシシッピの上院選は未確定で、議席数はまだ動く。バンス副大統領は「負けた理由は戦争だ」と投稿し、トランプ大統領も戦争が敗因の一つだったと認めた。ただしトランプ氏は「問題は戦争ではなく原油の価格だ」とし、関税は戻さない考えを示した(CNBC)。トランプ氏は11/3にフィナンシャル・タイムズに、イランを直ちに攻撃する予定は無いと語った(CNBC)。

選挙の結果が、戦争の終結を後押しする材料として読まれた。停戦や合意が発表されたわけではない。Rapidan EnergyのMcNally氏は「イランは強硬な姿勢を固めている」と述べ、CIBCのBabin氏は売りが「やや行き過ぎ」の可能性を指摘した(CNBC)。

② 原油は3日続けて急落し、期待インフレ率と名目金利を押し下げた

WTIは88.12ドル(−7.97ドル、−8.29%)、Brentは94.62ドル(−8.98ドル、−8.67%)で引けた(CNBC。WTIの88.12ドルはNBC Newsも同じ値を伝えた)。NBC Newsは4月以来の大きな下げと伝えた。米10年債は4.90%(−5bp)、2年債は4.58%(−3bp)、期待インフレ率は2.26%(−4bp)へ下げた。

10年債の下げの大半は期待インフレ率の低下だった。財政への見方は割れた。BondBloxxのストラテジストは議会がねじれて赤字の拡大が難しくなるとみたが(CNBC)、Capital EconomicsのHussain氏は財政への警戒が金を押し上げたと述べた(Reuters配信、Kitco)。

③ 雇用と景況感は底堅く、利上げ観測は残った

10月のADP雇用統計は8.6万人増で、ダウ・ジョーンズの予想7.5万人を上回った(Investing.com、MarketScreener)。ISM非製造業景況指数は54.5と、9月の54.9から0.4ポイント下げた(ABA Banking Journal、Trading Economics)。予想との比較は報道で割れているため書かない。CME FedWatchでは、12月の利上げの確率は約82%だった(Reuters配信、Kitco)。

景気の指標は利上げ観測を崩さなかった。金利の低下が実質金利にほとんど届かなかった理由はここにある。11/6の米10月雇用統計が次の確かめどころになる。

情報元:Spectrum News、CNBC、NBC News ほか6件

金利(起点)

米10年債利回り:4.90%(11/4、財務省 日次イールドカーブ。11/3の4.95%から−5bp。FRED DGS10の11/3分4.95%は前号の値と一致)

金利下げたのは期待インフレ率
米10年債4.90%▼ −5bp2年債との差は32bp
実質金利2.64%▼ −1bp−1bpにとどまる
原油安が名目金利を押し下げた

WTIの8%超の下げで期待インフレ率は2.26%へ下げた。実質金利はほとんど動かず、12月の利上げ観測も約8割のまま残った。

定点米10年債利回り直近20号
高 5.28%10/8 安 4.90%11/5 11/5 4.90%

米2年債利回り:4.58%(11/4、財務省。11/3は4.61%で−3bp)

米30年債利回り:5.28%(11/4、財務省。11/3は5.32%で−4bp)

日本10年債利回り:2.817%(11/2時点、財務省 国債金利情報。10/30と同じ値。11/4分は未掲載)

実質金利(TIPS10年):2.64%(11/4、財務省 実質利回りカーブ。11/3の2.65%から−1bp。FRED DFII10の11/3分2.65%は前号の値と一致)

期待インフレ率(10年BEI):2.26%(11/4時点、FRED T10YIE。11/3は2.30%で−4bp)

10年債の−5bpは、期待インフレ率の−4bpと実質金利の−1bpに分かれた。前号の+4bpは実質金利が中心だったが、今回は逆に、原油の急落でインフレの見通しだけが下がった。実質金利は2.64%と高いままで、12月の利上げ観測(約82%)が残っていることと整合する。2年と10年の差は34bpから32bpへ縮み、30年債も5.28%へ下げて、長い年限ほど買われた。日米の金利差は、米国の11/4(4.90%)と日本の11/2(2.817%)で約2.08ポイント(日付がずれるため目安)。

資金名目4.90%(−5bp)実質2.64%(−1bp)+ 期待インフレ2.26%(−4bp)(11/4)
資金長い年限買い(10年 −5bp、30年 −4bp)/ 短い年限買い(2年 −3bp)
情報元:米財務省、FRED、財務省 ほか2件

ドル

DXY:101.51(11/4 17:53 ニューヨーク時間の読み取り、Yahoo Finance DX-Y.NYB。11/3終値101.87から−0.35%)。11/4の終値を伝える報道を確かめられなかったため、読み取りを時刻つきで載せる。Reuters配信は101.51(−0.32%)、FXStreetは日中に101.21まで下げたと伝えた。前号で読み取りとして載せた11/3の101.88は、確定した終値では101.87だった

定点ドル指数(DXY)直近20号
高 102.5310/15 安 101.5111/5 11/5 101.51

USD/JPY:158.43(11/4 ニューヨーク17時、11/3の158.67から−0.15%、Yahoo Finance JPY=X 1時間足)

EUR/USD:1.1232(11/4 ニューヨーク17時、11/3の1.1194から+0.34%、Yahoo Finance EURUSD=X 1時間足)

ドルは選挙の結果を受けて、ユーロに対して売られた。ドル指数の下げはユーロ高が中心で、ドル円は158円台半ばでほとんど動かなかった。日米の金利差は縮んだが、円は介入への警戒と日銀の利上げの時期の不透明さの間で動きにくい。FXStreetは、ドルの反応は小さく短いとみる向きが多いと伝えた。

資金ドル売り(DXY 101.51、読み取り)/ ユーロ買い(1.1232ドル)/ 円横ばい(158.43円)
情報元:Yahoo Finance、Investing.com、FXStreet ほか2件

商品

WTI:88.12ドル(−7.97、−8.29%、11/4清算値、CNBC。NBC Newsも88.12ドル。11/3終値96.09ドルはYahoo Finance CL=Fで確定し、前号の値と一致)

定点金(XAU/USD)直近20号
高 4,17010/13 安 3,87511/2 11/5 4,063ドル

Brent:94.62ドル(−8.98、−8.67%、11/4清算値、CNBC。11/3終値103.60ドルはYahoo Finance BZ=Fで確定し、前号の値と一致)

金(現物):4,063.34ドル(11/4のセルを16:06 山岳部時間に読み取り、USAGOLD価格履歴。11/3確定値3,930.14ドルから+133.20ドル、+3.39%)。11/4の現物の終値は未確認。前号で読み取りとして載せた11/3の3,931.04ドルは、確定値では3,930.14ドルだった(−0.90ドル。11/2確定値3,946.59ドルからは−0.42%)。Kitcoは12:49 ETに4,068.20ドル(+138.80ドル)と表示し、Reuters配信は上げの理由にドル安を挙げた

金先物(COMEX期近):4,072.20ドル(11/4 16:59 ニューヨーク時間の読み取り、Yahoo Finance GC=F。終値ではない。参考値。11/3終値は3,940.40ドル)

銀先物(COMEX期近):52.325ドル(11/4 16:59 ニューヨーク時間の読み取り、Yahoo Finance SI=F。11/3終値49.587ドルから+5.52%)

プラチナ先物:1,500.50ドル(11/4 16:59 ニューヨーク時間の読み取り、Yahoo Finance PL=F。11/3終値1,432.40ドルから+4.75%)

銅先物:6.4110ドル/ポンド(11/4 16:59 ニューヨーク時間の読み取り、Yahoo Finance HG=F。11/3終値6.3785ドルから+0.51%)

前号で読み取りとして載せた11/3の値は、確定した終値で銀49.587ドル(前号49.810)、プラチナ1,432.40ドル(同1,418.30)、銅6.3785ドル(同6.4130)だった

Macro Drivers(三軸)

実質金利:2.64%へ−1bp。ほぼ横ばいで、追い風にはなっていない

金ドル安と原油安が金を押し上げた
軽い側
  • ドル 101.51(−0.35%)
  • 実質金利 2.64%(−1bp)
重い側
  • 財政への警戒
XAU/USD4,063ドル▲ +3.39%3,975ドルと4,000ドルを上抜け

利上げ観測は残ったまま。雇用統計で実質金利が上げれば、4,000ドルが試される。

ドル:101.51(読み取り)へ−0.35%。追い風

地政学:選挙の結果で戦争の終結が意識され、原油の戦争プレミアムははげた。地政学の買いは減る向きだが、財政とドルへの見方が金を支えた

資金フロー結論

金はドル安と財政への見方で4,000ドルを取り戻した。実質金利がほとんど下げない中での3.39%の上げで、物差しどおりの動きではない。戦争の終結は本来なら金の地政学の買いを減らす材料だが、それより選挙後のドル売りが勝った。銀は+5.52%、プラチナは+4.75%と金より大きく上げ、前号で金より大きく売られた金属ほど戻した。銅は+0.51%にとどまった。金はKitcoが挙げる最初の抵抗4,068ドルのすぐ下にあり、その上は4,084ドル。下は4,000ドルの節目と、11/3まで抵抗だった3,975ドル。

資金金買い(+3.39%)/ 銀・プラチナ買い(+5.52%、+4.75%)/ 原油売り(WTI −8.29%、Brent −8.67%)
情報元:USAGOLD、Kitco、CNBC ほか8件

株

S&P 500:7,688.62(+119.70、+1.58%)(11/4終値、Yahoo Finance ^GSPC。FRED SP500の11/3分7,568.92は前号の値と一致)

注目水曜の主役
  • ロッキード▼ −6.88%戦争終結の思惑で防衛株が売られた
  • HCA▲ +10.33%病院株は1割高と大きく買われた

Nasdaq総合:25,736.51(+364.50、+1.44%)(11/4終値、Yahoo Finance ^IXIC)

ダウ平均:53,356.12(+1,569.40、+3.03%)(11/4終値、Yahoo Finance ^DJI)

ラッセル2000:2,856.95(+44.50、+1.58%)(11/4終値、Yahoo Finance ^RUT)

日経225: 62,188.63円(−893.23円、−1.42%、11/4終値、Yahoo Finance ^N225。日経の伝えた値と一致)

米国は指数はそろって上げたが、選挙の結果で勝ち負けがはっきり分かれた。防衛株が売られ、ロッキード・マーチンは−6.88%、エクソンモービルは−4.62%。AI関連はエヌビディアが−3.17%、半導体株指数は−3.13%と、前号の戻りを失った。トランプ・メディアは−24.54%。一方で、病院大手のHCAヘルスケアは+10.33%、アルファベットは+3.18%だった(いずれも11/4終値、Yahoo Finance。AP配信の伝えた値と一致)。ダウの+3.03%は、原油安で景気と消費の見通しが改善するとの読みが中心とみられる(推測を含む)。

東京は11/4の日中に開票を受けた。民主党が上下両院の多数を確保する見通しとなり、AI規制が強まるとの懸念からアドテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループが売られた。日経平均は午後に下げ幅が3,000円を超えたが、トランプ大統領が結果を受け入れると述べたことで戻し、終値は日中の安値から2,000円余り戻した(日経)。TOPIXは3,895.38(−0.89%)。

資金防衛・石油・AI株売り(ロッキード −6.88%、エクソン −4.62%、エヌビディア −3.17%)/ 医療・景気敏感株買い(HCA +10.33%、ダウ +3.03%)/ 日本の半導体株売り(日経平均 −1.42%)
情報元:Yahoo Finance、BNN Bloomberg、日本経済新聞 ほか5件

Crypto

BTC:77,385ドル(11/4 09:00 JST時点、CoinGecko 日次 UTC 0:00。24時間前比+0.88%)。11/4の米国セッションを含む値(11/5 09:00 JST時点)は、この号の時点で未確認

BTC現物ETFの資金フロー:−115.6百万ドル(11/3、米国の現物ETF合計、Farside)。11/2の−398.6百万ドルに続く流出で、3営業日続いた。11/4分は未確認(Farsideで個別の列が未集計)

BTCは11/3の米国セッションでは小さく戻したが、ETFからの流出は止まっていない。11/3の米国セッションを含む値(11/4 09:00 JST時点)は+0.88%で、同じ日のNasdaqの+0.83%とほぼ同じ動きだった。11/4の選挙後の上げについて、Kitcoのコラムは見出しで8万ドル台に乗せたと伝えたが、この媒体が固定する時点の値はまだ出ていない。金が3.39%上げた日に、BTCがどこまでついてきたかは翌号で確かめる。

資金BTC小幅買い(77,385ドル、+0.88%)/ BTC現物ETF流出(11/3 −115.6百万ドル)
情報元:CoinGecko、Farside Investors、Kitco

Volatility

VIX:16.61(11/4終値、11/3の20.83から−4.22、−20.26%、Yahoo Finance ^VIX。FRED VIXCLSの11/3分20.83は前号の値と一致)

日経VI:未確認(11/4終値)。Yahoo Finance ^NKVI.OS の日足は11/4の終値の欄が空で、取得スクリプトが出した24.98は日中の安値と同じ値だった。確定した終値として扱わない。同じ日足の始値は36.20、高値は40.30。11/2終値は35.72

MOVE指数:93.88(11/4終値、11/3の99.97から−6.09%、Yahoo Finance ^MOVE)

米ハイイールド債スプレッド:3.40%(11/3時点、FRED BAMLH0A0HYM2。11/2の3.43%から−3bp)

選挙という最大の不透明要因が片づき、米国の恐怖指数は一気に下げた。VIXは20を割り込んで16台へ、MOVEも93台へ下げ、株と債券の両方で保険の需要がはげた。HYスプレッドも11/3に3.40%へ縮み、10/30の3.44%から緊張はやや和らいでいる。東京は日中に下げ幅が3,000円を超えた日で、日経VIの高値は40.30と、米国との温度差は11/4の時点ではむしろ開いた。

情報元:Yahoo Finance、FRED ほか2件

今日の資金フロー

民主党の上下両院戦争終結への期待で原油は急落期待インフレ率とドルが下げ金・銀は急伸 / 防衛・AI株は売り
資金原油売り(WTI 88.12ドル、−8.29%、Brent 94.62ドル、−8.67%)
資金米国債買い(10年 4.90%、−5bp、期待インフレ 2.26%、−4bp)/ ドル売り(101.51、読み取り)
資金金買い(4,063ドル、+3.39%)/ 銀・プラチナ買い(+5.52%、+4.75%)
資金防衛・石油・AI株売り(ロッキード −6.88%、半導体株指数 −3.13%)/ 医療・景気敏感株買い(ダウ +3.03%)

総括:中間選挙の結果が、イラン戦争の終結に向かう材料として読まれ、原油の戦争プレミアムが一日ではげた。インフレの見通しとドルが下げて金は4,000ドルを取り戻したが、実質金利は2.64%と高く、12月の利上げ観測も残っている。


マーケットポジション(中期の歪み)

最大の歪みは、原油の急落と利上げ観測のずれである。WTIは3日で104ドル台から88ドル台へ下げ、期待インフレ率は2.26%まで下げたのに、12月の利上げ確率は約82%のまま、実質金利も2.64%と高い。原油安が本当にインフレを冷やすなら、利上げ観測は下がっていくはずで、11/6の雇用統計と11月中旬の物価指標でその確かめが進む。

二つ目は、戦争終結への期待と、合意の無い現実のずれ。停戦や合意は発表されておらず、イランは強硬な姿勢を崩していないとの見方もある(CNBC)。期待だけで16ドル近く下げた分、外れたときの戻りも大きくなりうる。

三つ目は、金の上げと物差しのずれ。金は実質金利がほとんど動かない中で3.39%上げた。支えたのはドル安と財政への見方だが、ねじれ議会で赤字が抑えられるという読みと、財政が悪化するという読みが同時に語られている。根拠が割れたままの上げは、雇用統計で実質金利が上がれば崩れやすい。


Next Flow(短期)

シナリオA:4,068〜4,084ドルを上抜け、4,100ドル台へ

選挙後にイランとの協議が停戦へ進み、WTIは90ドルの下にとどまる。11/6の雇用統計が予想を下回り、12月の利上げ観測が後退する実質金利が2.6%を割り込み、ドル安も続いて、金はKitcoの抵抗4,068ドルと4,084ドルを上抜け、4,100ドル台へ進む

シナリオB:4,000ドルを割り込み、3,975ドルを試す

イランが協議を拒み、原油の戦争プレミアムが戻る。あるいは11/6の雇用統計が強く、利上げ観測が一段と強まる実質金利が2.7%に近づき、ドルも買い戻されて、金は4,000ドルの節目を割り込み、11/3まで抵抗だった3,975ドルを試す

シナリオC:雇用統計まで4,000〜4,084ドルにとどまる

選挙の結果は一日で織り込まれ、市場の関心は11/6の雇用統計に移る。原油は協議の報道で85〜95ドルの間を振れる金は4,000ドルと4,084ドルの間で雇用統計を待つ

判定は雇用統計のあとの11/9号で行う。


Market Bias(短期)

ややリスクオン。中間選挙の結果で戦争の終結が意識され、原油は3日で16ドル近く下げ、VIXは16台へ下げた。金はドル安で4,000ドルを取り戻した。ただし実質金利は2.64%と高く、12月の利上げ観測も約8割のままで、合意の無い期待に支えられた上げでもある。11/6の雇用統計まで、4,000〜4,084ドルの範囲を想定する。

最優先の監視項目は3つ。

  • 地政学:選挙後にイランとの協議が停戦へ動くか。崩れれば原油の戦争プレミアムが戻る
  • 指標:11/6の米10月雇用統計。強ければ12月の利上げ観測と実質金利がさらに上がる
  • 金:4,000ドルの節目を保つか。上はKitcoの抵抗4,068ドルと4,084ドル、下は3,975ドル

本日の市場スケジュール(JST)

  • 11/5 英中銀(BoE)の政策金利
  • 11/6 米10月雇用統計
  • 中間選挙の未確定の上院選(アラスカ、ミシシッピ)の開票
情報元:CNBC、Investing.com

2026/11/05 08:30 JST 時点。主要トリガーは民主党が上下両院の多数を確保した中間選挙、戦争終結への期待で3日続けて下げて88ドル台となったWTI、2.26%へ下げた期待インフレ率と4.90%の米10年債、約8割のまま残った12月の利上げ観測、ドル安で4,063ドルへ上げて4,000ドルを取り戻した金。