XAU / USD4,120前後−3.8%程度ドル指数 DXY101.11+0.08%米10年金利5.21%+5bp実質金利 10Y未確認—WTI原油95.11+2.92%S&P 5007,683.69−0.77%日経22565,877.62−0.73%BTC / USD83,000前後−2.1%程度
No. 7 平日更新
2026年9月29日(火)
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No. 7 2026年9月29日(火)

2026/09/29(火)|トランプ氏がイラン提案を拒否し原油反発、米10年債は5.21%で金は7週間ぶり安値の4,120ドル前後へ急落

トランプ大統領がホルムズ海峡再開を巡るイランの提案を拒否し、Brentは106ドル台へ反発した。米10年債利回りは5.21%と2007年以来の高水準を更新し、10月のFed追加利上げ確率は約70%へ上昇。金は4,230ドルのネックラインを割り込み、約3〜4%安の4,120ドル前後と8月5日以来の安値をつけた。米株は3指数がそろって下落した。

Financial and Marketing M16 2026.09.29 発行 更新 07:13 JST
XAU / USD
4,120前後
−3.8%程度
ドル指数 DXY
101.11
+0.08%
米10年金利
5.21%
+5bp
実質金利 10Y
未確認
—
WTI原油
95.11
+2.92%
S&P 500
7,683.69
−0.77%
日経225
65,877.62
−0.73%
BTC / USD
83,000前後
−2.1%程度
本日の要点
  1. トランプ氏がイランの海峡再開提案を拒否。WTIは95.11ドル(+2.92%)、Brentは106.89ドル(+2.46%)へ反発した。
  2. 米10年債は5.21%(+5bp)と2007年以来の高値を更新。米2年債は4.926%へ上昇し、10月のFed利上げ確率は約70%に高まった。
  3. 金は4,230ドルのネックラインを割り込み、4,120ドル前後と8月5日以来の安値。ソースにより4,117〜4,156ドルと幅がある。
  4. ダウ−0.67%、S&P500−0.77%、Nasdaq−0.92%。VIXは16.17へ上昇した。日経VIは27.51と1日で+35%急伸。
  5. 実質金利(TIPS10年)の9/28分は未確認。直近確認値は9/24の2.85%。
テクニカル・レベル
  1. レジスタンス4,300心理的節目。9/25終値4,280ドルからは大きく下方に離れた
  2. レジスタンス4,2308/7・9/16の安値が重なっていたネックライン。割り込んだため、今後は戻りの関門に転じる
  3. 現在値4,1209/28の現物終盤値(4,117〜4,123ドルの範囲)。8/5以来の安値圏
  4. サポート4,1119/28の日中安値(現物)。8/5以来の水準
  5. サポート4,000心理的節目。次の意識ライン(出典のある水準ではなく節目としての目安)

2026/09/29 07:13 JST(9/28の米国セッションを扱います)


Macro Theme

前号(No.6)で「小休止」と書いた金利と原油の組み合わせが、月曜のセッションで元に戻った。トランプ大統領が、ホルムズ海峡の再開と引き換えに米海軍の封鎖解除や制裁免除を求めたイランの提案を「拒否した」と認め、金曜に剥落していた原油の地政学プレミアムが1日で再び積み上がった。

原油の反発は金利に直結した。米10年債利回りは5.21%と2007年以来の高値を更新し、10月のFed会合で追加利上げが行われる確率は約70%(前日は64.2%)まで上昇した。ドルもわずかに強含んだ。

その中で最も大きく動いたのが金である。地政学リスクが高まったにもかかわらず、金は安全資産としては買われず、利上げ観測と実質的な金利負担の重さに押されて4,230ドルのネックラインを割り込んだ。株式は3指数がそろって下落し、金曜のAI高揚は一服した。

資金金米国債(利回り5.21%)・ドル / 株式(AI関連含む)現金性資産

Market Drivers

① トランプ氏がイランの海峡再開提案を拒否

イランは、米国が海軍による港湾封鎖を解き、イラン産原油への制裁を免除し、レバノンを含む停戦を守るなら、ホルムズ海峡を再開して核協議に戻ると提案していた。トランプ氏は記者団に「提案はあったが、私は拒否した」と述べた。

WTIは95.11ドル(+2.92%)、Brentは106.89ドル(+2.46%)へ反発した。日中はBrentが108ドル台、WTIが96ドル台をつける場面もあったが、ここでは終盤に近い値を採る。金曜の段階的合意の観測はひとまず後退した。

② 米長期金利が2007年以来の高値を更新

原油の反発でインフレ懸念が再燃し、債券売りが戻った。米10年債利回りは5.21%(+5bp)、2年債は4.926%(+6bp超)、30年債は5.552%(+5bp)と、全年限で上昇した。

10月のFed追加利上げの織り込みは約70%まで高まった。金曜に「上昇一服」と見えた金利は、原油の反発とともに高値更新へ戻っている。

③ 株式は3指数そろって下落

ダウは347ドル安の51,481.51(−0.67%)、S&P500は7,683.69(−0.77%)、Nasdaq総合は26,820.38(−0.92%)で引けた。金利上昇が重しとなり、金曜の反発分を吐き出した。

前号で指摘した「AI高揚」は原油と金利の再上昇で勢いを欠いた。Oracle周辺の信用不安については、本日の確認できたデータがなく、ここでは追わない。

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金利(起点)

米10年債利回り:5.21%(前日比+5bp)。2007年以来の高水準を更新

米2年債利回り:4.926%(+6bp超)

米30年債利回り:5.552%(+5bp)

日本10年債利回り:3.085%(9/28終値、前週末比+0.010%)。日中は3.095%まで上昇した

実質金利(TIPS10年):未確認。9/28分は確認できるソースが無かった。直近の確認値は9/24の2.85%(FRED)、9/25は2.84%(Trading Economics)である

名目金利は10年で5.21%、2年で4.926%と、長短ともに上昇した。実質金利は未確認のため、名目の上昇のうちインフレ期待と実質金利のどちらが主因かは、本日は分解できない。ただし金が大きく下げていることは、実質的な金利負担が意識されたことと整合的である(推測を含む)。

日本10年債は米金利上昇に引きずられて小幅に上昇した。日米とも高水準での推移が続いている。

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ドル

DXY:101.11(+0.08%)

USD/JPY:157.69円(+0.28%)

金曜に一服したドル高は、米金利の再上昇でわずかに戻した。上昇幅は小さく、金や債券の動きに比べるとドルの反応は限定的だった。ドル円は157円台後半へ戻し、日米金利差が意識されやすい水準にある。

資金米金利上昇ドルの小幅な買い戻し / 円小幅な売り

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商品

WTI:95.11ドル(+2.92%。金曜の92.41ドルから反発)

Brent:106.89ドル(+2.46%。日中は108.48ドルまで上昇)

金:4,120ドル前後(現物、前日比−3.8%程度)。情報元により4,111〜4,156ドルと差があり、早い時間帯の4,223.95ドル(−1.5%)や、先物12月限の4,257.90ドル(−1.5%)を伝える記事もあった。終盤の複数ソース(4,116.70ドル・4,122.66ドル・4,123.02ドル)が近いため、ここでは4,120ドル前後とする。

Macro Drivers(三軸)

実質金利:9/28分は未確認(9/24は2.85%)。名目10年債は5.21%まで上昇しており、実質金利も上向いた可能性があるが、確認できていない

ドル:DXY 101.11(+0.08%)。上昇は小幅で、金の急落をドルだけでは説明できない

地政学:トランプ氏がイランの提案を拒否し、ホルムズ海峡の再開は遠のいた。通常なら金の買い材料だが、本日は原油高から利上げ観測が強まる経路が上回った

資金フロー結論

金曜は原油が急落しても金が下げなかったが、月曜は原油が反発して金が急落した。地政学リスクの高まりが、安全資産需要ではなく「インフレ→利上げ」の連想を通じて金の売りにつながった形である。4,230ドルのネックラインは割れ、次の意識は4,000ドルの節目に移る。

資金地政学リスクの再燃原油上昇利上げ観測金から米国債・ドルへ

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株

S&P 500:7,683.69(−0.77%)

Nasdaq総合:26,820.38(−0.92%)

ダウ平均:51,481.51(−347.11、−0.67%)

日経225: 65,877.62(−486.58、−0.73%)。9/28の東京市場終値。6営業日ぶりの反落

3指数の中ではNasdaqの下げが最も大きく、金利上昇に敏感なハイテク株が重しとなったとみられる。日経は米株高を受けて寄り付きで600円超上昇し67,000円を上回ったが、買いが一巡すると下げに転じた。半導体株の比重が高いKOSPIの下落も重荷になった。

日経の下落は米国の月曜の下落より先に起きているため、今号の米国セッションの結果は、本日9/29の東京市場に反映される。

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Crypto

BTC:83,000ドル前後(24時間で−2.1%程度、UTC0時からは−1.7%)

CoinDeskなどによると、BTCは原油の急伸と利上げ観測、金の急落を受けてリスクオフとなり83,000ドルまで下げた。先週の4日連続の上昇に対する利益確定と、5億ドル超の清算も重なった。

金が3%超下落する中でBTCの下げ幅は2%程度にとどまり、この日は金の売りほど深くはなかった。ただしBTCの終値ベースの変化率と当日のETF資金フローは、確認できていない。直近では9/25まで7営業日連続で現物ETFに資金が流入し、週間で24億ドル、2026年の累計もプラスに転じている。

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Volatility

VIX:16.17(9/28終値。前号の14.87から上昇)

日経VI:27.51(+7.21、+35.52%)。前号の20.30から1日で急上昇した

日経VIの急伸は、原油の反発とトランプ氏の提案拒否、米金利の高止まりを受けたもの。前週の急低下の反動も加わった。VIXも上昇したが16台にとどまっており、日本市場のほうが温度差をもって反応している。

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今日の資金フロー

地政学リスク原油高利上げ観測金・株から米国債・ドルへ
資金トランプ氏のイラン提案拒否原油のリスクプレミアムが復活
資金原油高・米10年債5.21%10月利上げ確率約70%
資金金4,230ドルのネックラインを割り、7週間ぶり安値
資金株式・BTC利益確定とリスクオフ

金曜の「原油急落・株高」は一日で巻き戻された。地政学リスクが高まっても金が買われず、むしろ売られた点が、現在の相場の性格を示している。

総括:ホルムズ海峡を巡る緊張の再燃が、原油高と利上げ観測を通じて金・株・BTCの売りにつながった一日。


マーケットポジション(中期の歪み)

最大の歪みは、「地政学リスクの上昇局面で金が売られる」という構図である。通常は安全資産として買われる金が、原油高から利上げ観測を通じて逆風を受けている。利上げ確率が70%まで織り込まれた状況では、地政学の悪化はそれだけでは金の追い風にならない。

もう一つは、米・日の長期金利が2007年・1996年以来の高水準にあること。米10年債は5.21%と高値を更新し、日本10年債も3.085%と高い。金利水準が資産価格の上値を押さえる基調は、前号までと変わっていない。


Next Flow(短期)

シナリオA:原油高と利上げ観測が続く

トランプ氏の強硬姿勢が続き原油が100ドル方向へインフレ懸念が強まる10月利上げの織り込みが70%超へ米10年債が高値更新金は4,000ドルの節目を試す

シナリオB:米・イランの交渉が再開する

提案を巡る協議が水面下で進む原油のプレミアムが再び剥落金利上昇が一服金は4,230ドルまでの戻りを試す余地が出る

ただし金曜の観測は1日で覆っており、進展は慎重に見る必要がある。

シナリオC:今週の指標で利上げ観測が変わる

水曜のPCE、金曜の雇用統計(市場予想は約10万人増)が焦点指標が弱ければ利上げ確率が低下し金利が反落金は反発

強ければ逆に利上げ観測が固まり、金・株の重しとなる。


Market Bias(短期)

慎重。原油高・金利高・利上げ観測がそろって強まっており、金・株ともに戻りを売られやすい地合いにある。

最優先の監視項目は3つ。

  • 金の4,111ドル(日中安値)と4,000ドルの節目を維持できるか
  • 米10年債5.21%が高値更新を続けるか、10月利上げの織り込み(約70%)が動くか
  • 水曜のPCEと金曜の雇用統計(予想は約10万人増)

本日の市場スケジュール(JST)

  • 東京市場:通常取引。月曜の米株安・原油高を受けた寄り付き
  • 米国市場:JOLTS求人件数と消費者信頼感指数。Barr理事(ミシガン州デトロイト)とウィリアムズNY連銀総裁の講演
  • 今週:9/30(水)PCE物価指数・ADP・ISM製造業・Micron決算、10/2(金)雇用統計

2026/09/29 07:13 JST 時点。主要トリガーはトランプ氏のイラン提案拒否、米長期金利の高値更新、10月のFed利上げ観測。