XAU / USD4,160前後+1.1%程度ドル指数 DXY101.36+0.16%米10年金利5.232%−1bp程度実質金利 10Y未確認—WTI原油89.38−3.5%S&P 5007,670.84−0.16%日経22565,481.27−0.60%BTC / USD84,000前後未確認
No. 8 平日更新
2026年9月30日(水)
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No. 8 2026年9月30日(水)

2026/09/30(水)|米30年債が2002年以来の高値、消費者信頼感は12年ぶり低水準。原油は供給回復で下落し、金は4,160ドル前後へ自律反発

9/29の米国は、30年債利回りが一時5.6%台と2002年以来の高値をつけ、Conference Boardの消費者信頼感が81.9と2014年以来の低水準になった。一方で原油はサウジの紅海輸出再開でWTIが89.38ドルへ3.5%下落し、米2年債は横ばい圏に収まった。金は前日の7週間ぶり安値から4,160ドル前後へ戻した。米3指数は小幅安にとどまった。

Financial and Marketing M16 2026.09.30 発行 更新 07:13 JST
XAU / USD
4,160前後
+1.1%程度
ドル指数 DXY
101.36
+0.16%
米10年金利
5.232%
−1bp程度
実質金利 10Y
未確認
—
WTI原油
89.38
−3.5%
S&P 500
7,670.84
−0.16%
日経225
65,481.27
−0.60%
BTC / USD
84,000前後
未確認
本日の要点
  1. 米30年債は5.585%(一時5.62%前後)と2002年以来の高値圏。10年債は5.23〜5.24%、2年債は4.92%台。
  2. 原油はサウジの紅海輸出再開で下落。WTI 89.38ドル(−3.5%)、Brent 102.59ドル(−2.6%)。米イラン協議は継続中。
  3. Conference Board消費者信頼感は81.9(予想89、前月88.6)と2014年以来の低さ。JOLTSも7.079百万件と予想を下回った。
  4. 金は4,160ドル前後(現物、日中+1.1%程度)と7週間ぶり安値から反発。利上げ確率は約72〜73%で高止まり。
  5. 実質金利(TIPS10年)・日経VI・米国VIXの一部値は未確認。BTCは終値・変化率が確認できず、84,000ドル前後の目安のみ。
テクニカル・レベル
  1. レジスタンス4,300心理的節目。9/25終値4,280ドル近辺の水準
  2. レジスタンス4,2309/28に割り込んだネックライン。戻りの関門に転じている
  3. 現在値4,1609/29 NY午後の現物(4,150〜4,163ドルの範囲)。9/28安値からの反発局面
  4. サポート4,1119/28の日中安値(現物)。8/5以来の水準
  5. サポート4,000心理的節目。出典のある水準ではなく節目としての目安

2026/09/30 07:13 JST(9/29の米国セッションを扱います)


Macro Theme

前号は、トランプ大統領のイラン提案拒否で原油が反発し、金利上昇が金を押し下げた日だった。9/29はその構図が部分的に緩んだ。サウジアラビアが紅海側ヤンブー港の積み出しを再開し、東西パイプラインの流量が日量約350万バレルまで戻ったことで、原油は前日の上昇を打ち消して下げた。米国とイランの協議も続いている。

それでも長期債の売りは止まらなかった。30年債利回りは5.585%まで上昇し、日中は5.6%台と2002年以来の高値をつけた。一方で2年債は横ばい圏、10年債は5.23%台と前日から小幅に低下した。長期ゾーンだけが売られる形である。

需給の裏側では、実体経済の弱さも見えた。消費者信頼感は81.9と2014年以来の低水準になり、JOLTS求人件数も予想を下回った。ただし10月利上げの織り込みは72〜73%と高いままで、指標の弱さが利上げ観測を崩すには至っていない。株は小幅安、金は反発した。

資金原油売り(供給回復)/ 長期債売り継続(30年債5.585%)/ 金押し目買い(4,160ドル前後)

Market Drivers

① サウジの紅海輸出再開で原油が下落

サウジアラビアがヤンブー港からの積み出しを再開し、東西パイプラインの流量は日量約350万バレルに戻った。9月の中東産原油の輸出は日量1,633万バレルと、2月下旬の戦争開始後で最高になった。

WTIは89.38ドル(−3.22ドル、−3.5%)、Brent(12月限)は102.59ドル(−2.69ドル、−2.6%)で引けた。9月は月間でBrentが約13%高、WTIが約4%高にとどまる。なお前号のWTI 95.11ドル・Brent 106.89ドルは日中の値で、9/28の清算値はWTI 92.60ドル・Brent 105.28ドルだった(訂正)。

② 消費者信頼感が12年ぶりの低水準

Conference Boardの9月消費者信頼感指数は81.9(前月88.6、予想約89)に低下し、2014年以来の低さになった。債券利回りの高止まり、イラン戦争の長期化、AIへの不安、物価と雇用への懸念が背景とされる。JOLTS求人件数(8月)は707.9万件(予想722.8万件、前月733.5万件)だった。

景気の減速を示す材料だが、10月利上げの織り込みは72.5%前後(CME FedWatch)と大きくは動かなかった。指標の弱さより物価の粘りが意識されている。

③ 米30年債が2002年以来の高値、株は小幅安

30年債利回りは一時5.62%前後と2002年以来の高値をつけ、その後は5.585%まで戻した。株式はこれを受けて下落して始まったが、原油安と短中期債の落ち着きで下げ幅を縮めた。

ダウは131.59ドル安の51,349.92(−0.26%)、S&P500は7,670.84(−0.16%)、Nasdaq総合は26,797.54(−0.09%)。AI関連の一部は堅調で、Bloom Energyが13%上昇するなど、高金利の下でも選別的な買いが見られた。

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金利(起点)

米10年債利回り:5.232%(前日の5.24%から小幅低下。ソースにより5.23〜5.24%)

米2年債利回り:4.924%(前日4.926%とほぼ横ばい)

米30年債利回り:5.548〜5.585%(ソースにより差。日中は5.6%台で2002年以来の高値)

日本10年債利回り:未確認。9/29終値を3.067%とする情報と、日中3.095%(前日比+0.010%)とする情報があり、時点が混在していて確定できない

実質金利(TIPS10年):未確認。9/29分は確認できるソースが無かった。直近の確認値は9/24の2.85%(FRED)

2年債が横ばいで30年債だけが高値を更新したため、長短の傾きはさらに急になった。名目の長期金利は上がっているが、実質金利が未確認のため、インフレ期待と実質金利のどちらが主因かは分解できない。

日本10年債は水準が3%台と高いことは確かだが、日次の値はソース間で食い違うため本日は断定しない。

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ドル

DXY:101.36(+0.16%)

USD/JPY:157.26円(−0.09%)

ドル指数は約1か月で約2%上昇し、年初来高値圏にある。FXStreetは、タカ派的なFedの見通しを背景に年間高値へ近づいていると伝えている。ドル円は小幅安で、円は横ばい圏だった。

資金米利上げ観測ドルの買い / 円小動き

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商品

WTI:89.38ドル(−3.22ドル、−3.5%)

Brent(12月限):102.59ドル(−2.69ドル、−2.6%)

金(現物):4,160ドル前後(NY午後の4,160.36ドル、4,162.84ドル。日中+1.1%程度)。Trading Economicsは4,151.91ドル(+0.90%)と少し低い。確定した終値は確認できていないため、幅で示す。

Macro Drivers(三軸)

実質金利:9/29分は未確認。名目10年債は小幅低下、30年債は上昇で、方向は混在している

ドル:DXY 101.36(+0.16%)。ドル高は金の重しだが、金は反発した

地政学:原油は供給回復で下落。地政学プレミアムの剥落は、前日に金を押し下げた「原油高→利上げ観測」の経路を弱めた

資金フロー結論

前日に7週間ぶりの安値4,111ドルをつけた金は、原油安と短中期金利の落ち着きで自律反発した。ただしドル高と30年債の高値は続いており、戻りは4,230ドルのネックラインの手前で試される段階にある。反発と反転はまだ区別できない。

資金原油下落利上げ観測の追加上昇が一服金へ押し目買い

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株

S&P 500:7,670.84(−0.16%)

Nasdaq総合:26,797.54(−0.09%)

ダウ平均:51,349.92(−131.59、−0.26%)

日経225: 65,481.27(−396.35、−0.60%)。9/29の東京市場終値。続落

米株は寄り付き後の下げを縮めて引けた。3指数の中ではダウの下げが大きく、Nasdaqはほぼ横ばいで、ハイテクの底堅さが目立つ。日経は米株安と原油高への警戒、中間配当の権利落ちに伴う売りが重なり、日中は1,100円超下げる場面があった。

日経の下落は米国の火曜のセッションより前に起きているため、今号の米国の結果は、本日9/30の東京市場に反映される。

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Crypto

BTC:84,000ドル前後(9/29早朝の始値83,488ドル、米東部7時の83,961ドル、別ソースで84,020ドル)。終値と変化率は未確認

BTCは前日の83,000ドル台から84,000ドル近辺へ戻した。金の反発とほぼ同じ動きである。CoinDeskの速報は、利回りの上昇や消費者信頼感の悪化で一時売られたと伝えており、日中の値幅は確認できていない。

現物ETFは9/28に+3,107万ドルの小幅な流入だった。9/25までの週は+23.9億ドルと、2025年10月以来の大きさで、年初来の累計も+8.87億ドルとプラスに転じている。流入の勢いは前週より弱まった。

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Volatility

VIX:16.07(+8.1%)。前号の16.17との対比では小幅に異なり、ソース間の丸め差とみられる

日経VI:未確認。9/29分の値を確認できるソースが無かった。前号の値は27.51

VIXは16台にとどまる。長期金利が2002年以来の高値をつけても米株の下げが小さかったことが、水準の低さに表れている。日経VIは確認できず、内外の温度差は本日は評価しない。

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今日の資金フロー

供給回復原油安短中期金利の落ち着き金・株の反発/長期債は売り継続
資金サウジの紅海輸出再開原油の地政学プレミアムが縮小
資金原油安2年債が横ばい、10年債が小幅低下金が押し目買い
資金長期債30年債5.585%と2002年以来の高値圏
資金消費者・雇用指標の悪化景気減速への警戒、ただし利上げ確率は約72%のまま

前日の「原油高→金利高→金安」は、原油安で一日だけ逆回転した。ただし長期債の売りと利上げ観測は残っており、金の反発が趨勢の変化かは判断できない。

総括:原油の供給回復が金と株の下げを止めたが、30年債の高値と利上げ観測が上値を抑える構図は変わっていない。


マーケットポジション(中期の歪み)

最大の歪みは、「弱い景気指標と高い利上げ確率が同居している」ことである。消費者信頼感は12年ぶりの低さ、求人は予想以下でも、10月利上げは72%前後と織り込まれている。物価の粘りが指標の弱さを上回るという見方が価格に入っており、次の物価指標がこの見方を試す。

もう一つは、長期債だけが売られる形が続いていること。2年債が横ばいのまま30年債が2002年以来の高値をつけるのは、政策金利の見通しよりも、期間プレミアムや財政・インフレへの懸念が長期債に乗っていることを示唆する(推測を含む)。


Next Flow(短期)

シナリオA:原油安と指標悪化で利上げ観測が後退する

サウジの輸出回復が続き原油が90ドル割れを維持物価指標が落ち着く10月利上げの織り込みが低下米長期金利が反落金は4,230ドルの回復を試す

シナリオB:協議が停滞し原油が再び反発する

米イラン協議が進まず、Hormuzの再開が遠のく原油が100ドル方向へ戻るインフレ懸念が再燃30年債が5.6%台を更新金は4,111ドルの安値を再び試す

シナリオC:物価・雇用指標で利上げ確率が動く

本日以降のPCE、金曜の雇用統計(前号記載の市場予想は約10万人増)が焦点指標が強ければ利上げ観測が固まりドル高・金安

弱ければ確率が低下し金利が反落して金は反発。


Market Bias(短期)

慎重だが、一方向ではない。原油安で下げは止まったものの、長期債と利上げ観測は強いままで、金・株は戻りの持続力を確認する段階にある。

最優先の監視項目は3つ。

  • 金が4,111ドル(9/28安値)を守りつつ、4,230ドルのネックラインまで戻せるか
  • 米30年債5.6%台と、10月利上げ確率(約72%)の変化
  • 本日以降のPCE物価指数と金曜の雇用統計、ならびに米イラン協議の進展

本日の市場スケジュール(JST)

  • 東京市場:通常取引。火曜の米株小幅安・原油安を受けた寄り付き
  • 米国市場:PCE物価指数、ADP、ISM製造業、Micron決算(前号記載のスケジュール。日付と時刻は各公表元で要確認)
  • 今週:10/2(金)雇用統計

2026/09/30 07:13 JST 時点。主要トリガーはサウジの原油供給回復、米30年債の高値更新、消費者信頼感の悪化。