2026/10/20(火)|米10年債は5.15%へ6bp上昇し、上げはすべて実質金利。金は4,136ドルへ反落、Nasdaqは+1.11%と反発、WTI11月限は満期前に103.66ドル
10/19の米国は、半導体の買い戻しでNasdaqが26,430.89(+1.11%)と反発した。一方で米10年債は5.15%(+6bp)へ上がり、上げ幅はすべて実質金利(2.80%、+6bp)で、期待インフレは2.35%で動かなかった。ドル指数も上がり、金は4,136.42ドル(読み取り、−0.70%)へ下げた。原油はWTI11月限が満期前に103.66ドル(+2.22%)、Brentは109.55ドル(−0.28%)。
- 米10年債は5.15%(+6bp)、2年債は4.77%(+3bp)、30年債は5.48%(+5bp)(財務省、10/19)。実質金利は2.80%(+6bp)、期待インフレ(10年BEI)は2.35%で横ばいで、上げ幅はすべて実質金利だった。
- 米国株は半導体の買い戻しで反発。Nasdaqは26,430.89(+1.11%)、S&P500は7,690.73(+0.41%)、ダウは51,966.03(−0.07%)。フィラデルフィア半導体指数は+1.6%で、8日続落を止めた(Globe and Mail/Reuters)。VIXは18.44(−7.75%)。
- 金の現物はUSAGOLDの読み取りで4,136.42ドル(10/19 17:02 山岳部時間)、10/16確定値から−0.70%。実質金利とドルがそろって上がり、追い風が逆風に変わった。ドル指数は読み取りで101.97(10/19 18:04 NY時点、+0.13%)。
- 原油は限月で割れた。WTI11月限は満期(10/20)を前に103.66ドル(+2.22%)で清算した一方、12月限は98.54ドル(−0.5%)、Brent12月限は109.55ドル(−0.28%)(Rigzone/Bloomberg、BigGo)。
- ドル円・ユーロドルの10/19終値、BTC現物ETFの資金フロー、日本10年債の10/19分は未確認。東京は10/19に日経平均が64,916.70円(−0.62%)と反落。BTCは81,998ドル(10/20 08:03 JST時点)。
- レジスタンス4,17210/12の確定値(4,171.67ドル)と10/15の確定値(4,171.06ドル)。2度、引けで止められた
- レジスタンス4,16610/16のUSAGOLD確定値(4,165.61ドル)。下げの起点
- 現在値4,13610/19のUSAGOLD読み取り(4,136.42ドル、10/19 17:02 山岳部時間)。確定値ではない
- サポート4,13310/8のUSAGOLD確定値(4,133.08ドル)。現値のすぐ下
- サポート4,10610/14のUSAGOLD確定値(4,105.85ドル)。CPI当日の安値
2026/10/20 08:35 JST(10/19の米国セッションを扱います)
Macro Theme
10/19の米国は、金曜に売られた半導体が買い戻され、その裏で国債が売られた。フィラデルフィア半導体指数は+1.6%で8日続落を止め、Nasdaqは26,430.89(+1.11%)、S&P500は7,690.73(+0.41%)で引けた(Globe and Mail/Reuters、Yahoo Finance)。VIXは18.44へ下がった。
- 半導体の 買い戻し
- 実質金利 +6bp
- ドルも 小幅高
- 金は 反落
金曜に売られた半導体が買い戻された。安全資産の国債は売られ、実質金利とドルが上がった
その代わりに米10年債は5.15%(+6bp)へ上がった。中身は実質金利が+6bp、期待インフレが横ばいで、上げ幅はすべて実質金利だった。前の週は原油高が期待インフレを押し上げて名目金利を支えたが、10/19は形が違う。ドル指数も上がり、金は実質金利とドルの両方を逆風に受けて、USAGOLDの読み取りで4,136.42ドル(−0.70%)へ下げた。原油は満期を控えたWTI11月限だけが+2.22%と急伸し、Brentと12月限は小幅安で、値動きは限月で割れた。
Market Drivers
① 半導体の買い戻し:8日続落が止まり、Nasdaqは+1.11%
フィラデルフィア半導体指数は+1.6%で引け、8日続落を止めた。続落中の下げは約15.7%で、2008年10月以来の長さだった(Globe and Mail/Reuters)。Intelは+2.4%で、先週の約−14%から戻した(Eurasia Business News)。決算が予想を上回ったCleveland-Cliffsは+16%(Globe and Mail)。Nasdaqは取引中に+1.52%まで上げたが(Reuters、12:41 EDT)、引けでは+1.11%に縮み、ダウは−0.07%と下げた。
AI関連の売りは止まったが、戻りは金曜の下げ(−2.15%)の半分にとどかなかった。今週は10/20にSpaceX、10/21にメタとテスラの決算が控える(Globe and Mail)。
② 米国債の売り:10年債は5.15%、上げはすべて実質金利
10年債は5.15%(+6bp)、2年債は4.77%(+3bp)、30年債は5.48%(+5bp)(財務省、10/19)。取引中には10年債が5.14%(+4.8bp)、30年債が5.47%と伝えられた(TipRanks、16:52 UTC)。欧州ではフランスで週末に生活費をめぐる抗議が暴力的になり、フランス10年債利回りが13bp上がって4.9%、CAC40は−1.4%(Reuters)。
株の買い戻しで逃避の国債買いが巻き戻され、欧州の国債売りが重なった(推測を含む)。期待インフレが動かなかったため、上げ幅はすべて実質金利になった。
③ 原油は限月で割れた:WTI11月限は満期前に103.66ドル、Brentは小幅安
WTI11月限は+2.25ドルの103.66ドル(+2.22%)で清算し、9/15以来の高値で引けた。11月限は10/20に満期を迎え、取引は12月限に集まっていた(19.5万枚超)。その12月限は98.54ドル(−0.5%)、Brent12月限は−0.31ドルの109.55ドル(−0.28%)で清算した(Rigzone/Bloomberg、BigGo)。フーシ派はサウジのヤンブーなどエネルギー施設への攻撃を主張し、イランはホルムズ海峡の管理を主張する「ほかに選択肢がない」と述べた(Rigzone)。一方で、米・イランが今週にも海峡の再開で合意しうるとの報道もあった(TipRanks)。トランプ大統領はロシア産エネルギーの一部の制裁と関税を免除する大統領令に署名した(BigGo)。
期近の11月限だけが満期前の手じまいで上がり、取引の中心の12月限とBrentは利益確定で下げた。11月限の+2.22%を原油全体の上昇と読まないこと。
情報元:
- MarketScreener/Reuters(US stocks rebound with AI earnings test ahead; French markets tumble、2026/10/19)
- The Globe and Mail(Nasdaq climbs as chip and AI-linked stocks bounce back、2026/10/19)
- Eurasia Business News(Stock Market Today: Tech Stocks Rebound After Friday’s Selloff、2026/10/19)
- TipRanks(Dow Jones Today: DJIA Flat as Oil Edges Lower; Tech Stocks Rebound、2026/10/19)
- Rigzone/Bloomberg(Oil Prices Hover Near Five-Month High、2026/10/19)
- BigGo Finance(Houthis Strike Saudi Energy Sites Again as Trump Eases Russian Oil Sanctions、2026/10/19)
金利(起点)
米10年債利回り:5.15%(10/19、財務省 日次イールドカーブ。10/16は5.09%で+6bp。FRED DGS10の最新は10/16の5.09%で一致)
前の週は原油高で期待インフレが名目金利を支えた。10/19は期待インフレが動かず、実質金利だけが上がった。金にとっては最も重い形。
米2年債利回り:4.77%(10/19、財務省。10/16は4.74%で+3bp)
米30年債利回り:5.48%(10/19、財務省。10/16は5.43%で+5bp)
日本10年債利回り:2.958%(10/16、財務省の最新掲載分。10/15は2.948%で+1.0bp。10/19分は未掲載)
実質金利(TIPS10年):2.80%(10/19、財務省 実質利回りカーブ。10/16は2.74%で+6bp。FRED DFII10の最新は10/16の2.74%で一致)
期待インフレ率(10年BEI):2.35%(10/19時点、FRED T10YIE。10/16と同じ。名目5.15%−実質2.80%とも一致)
名目5.15%は実質2.80%と期待インフレ2.35%に分解できる。10年債の+6bpは、実質金利の+6bpそのもの。前号の10/16は実質−4bp・期待インフレ+3bpで、原油が名目金利の下げを削っていた。10/19は原油(Brent)が下がり期待インフレも動かず、実質金利だけが上がった。2年と10年の差は35bpから38bpへ広がり、長いほうが売られた。日米の金利差は10/16の値どうしで約2.13ポイント。
情報元:
- 米財務省(Daily Treasury Par Yield Curve Rates 2026)
- 米財務省(Daily Treasury Par Real Yield Curve Rates 2026)
- 財務省(国債金利情報 jgbcm.csv)
- FRED(T10YIE 期待インフレ率10年)
- FRED(DFII10 実質金利10年)
ドル
DXY:101.97(10/19 18:04 ニューヨーク時間の読み取り、Yahoo Finance DX-Y.NYB。終値ではない。10/16終値101.84から+0.13%)。Reutersは10/19の昼(12:41 EDT)に101.94(+0.14%)と伝え、向きと水準は一致する。10/16の終値は前号の101.84のまま
USD/JPY:未確認(10/19の終値を複数社で確かめられなかった)
EUR/USD:未確認(同上)。Reutersは10/19の昼に1.1214(−0.22%)と伝え、フランスの混乱でユーロが売られたとした
ドルの上げは小さく、主因はユーロ安。フランス国債が売られ、ユーロが下がった分だけドル指数が押し上げられた。米金利の上昇もドルを支えた(推測を含む)。中国の7〜9月期GDPが前年比4.5%と3年ぶりの低さから持ち直し、豪ドルは+0.52%(Reuters)。
情報元:
- Yahoo Finance(US Dollar Index DX-Y.NYB)
- MarketScreener/Reuters(US stocks rebound with AI earnings test ahead; French markets tumble、2026/10/19)
商品
WTI:103.66ドル(+2.25、+2.22%、11月限の10/19清算値。Rigzone/Bloomberg、BigGoが同値。11月限は10/20に満期)。取引の中心の12月限は98.54ドル(−0.5%、同)。Yahoo Finance CL=Fの読み取りは98.24(10/19 18:52 ニューヨーク時間)で、12月限に移った値とみられる
Brent:109.55ドル(−0.31、−0.28%、12月限の10/19清算値。Rigzone/Bloomberg、BigGoが同値。前号の10/16清算値109.86ドルと同じ限月で比較)
金(現物):4,136.42ドル(10/19 17:02 山岳部時間のUSAGOLD価格履歴の読み取り。確定値ではない。10/16確定値4,165.61ドルから−29.19ドル、−0.70%)。表の前日比欄は−4.41ドルで、10/16確定値との差と合わない。翌号で確定値と照合する。Reutersは10/19の昼に現物4,143.79ドル(−0.51%)と伝え、向きは一致する。12月限の先物は読み取りで4,155.80ドル(10/19 18:52 ニューヨーク時間、Yahoo Finance GC=F。10/16終値4,181.10ドル)
Macro Drivers(三軸)
実質金利:2.80%へ上昇(+6bp)。前の3営業日で10bp下がった分の6割を1日で戻した
- 株の反発 ▲
- 実質金利 ▲2.80%(+6bp)
- ドル ▲101.97(+0.13%)
三軸のうち二つが逆風に回り、金は4,133ドルの手前まで下げた。4,166ドルの回復が最初の関門。
ドル:101.97(読み取り)へ小幅高(+0.13%)。フランス発のユーロ安が主因
地政学:フーシ派のサウジ攻撃、イランのホルムズ海峡の管理の主張、米・イランの合意の観測が同時に出た。Brentは110ドルを上抜けず、地政学は金を押し上げる材料になっていない
資金フロー結論
金は、実質金利とドルが同じ向きに上がった日に−0.70%と下げた。10/15は両方が大きく下がって+65ドル、10/16は小さく下がって−5ドル、10/19は上がって−29ドル。三軸のうち二つが逆風に回った分だけ素直に売られた。下は4,133ドル(10/8確定値)がすぐ下にあり、ここを割ると4,106ドル(10/14確定値)が次の目安になる。
情報元:
- USAGOLD(Daily Gold Price History)
- Rigzone/Bloomberg(Oil Prices Hover Near Five-Month High、2026/10/19)
- BigGo Finance(Houthis Strike Saudi Energy Sites Again as Trump Eases Russian Oil Sanctions、2026/10/19)
- Yahoo Finance(Crude Oil CL=F)
- Yahoo Finance(Gold GC=F)
株
S&P 500:7,690.73(+31.29、+0.41%)(10/19終値、Yahoo Finance ^GSPC。Globe and Mail/Reutersも同値。FRED SP500の最新は10/16の7,659.44)
- VIX▼ −7.75%株の反発で20から遠のく
- 日経VI▼ −2.92%下がったが30超のまま
Nasdaq総合:26,430.89(+290.85、+1.11%)(10/19終値、Yahoo Finance ^IXIC。Globe and Mail/Reutersも同値)
ダウ平均:51,966.03(−36.38、−0.07%)(10/19終値、Yahoo Finance ^DJI。Globe and Mail/Reutersも同値)
日経225: 64,916.70円(−407.59円、−0.62%、10/19終値、Yahoo Finance ^N225)
米国は半導体が戻りを主導した。ただし取引中の+1.52%(Nasdaq)から引けでは+1.11%に縮み、ダウは小幅安。金利が上がる中での戻りで、勢いは限られた。先週の下げは、S&P500が約2%、Nasdaqが4.5%だった(Eurasia Business News)。
東京は10/19、金曜の米国のNasdaq−2.15%を受けて反落した。下げ幅は−0.62%にとどまった。10/20の東京は、米国の半導体の反発と、米金利の上昇を同時に受ける。
情報元:
- Yahoo Finance(S&P 500 ^GSPC)
- Yahoo Finance(Nikkei 225 ^N225)
- The Globe and Mail(Nasdaq climbs as chip and AI-linked stocks bounce back、2026/10/19)
- Eurasia Business News(Stock Market Today: Tech Stocks Rebound After Friday’s Selloff、2026/10/19)
Crypto
BTC:81,998ドル(10/20 08:03 JST時点、CoinGecko)。10/19のUTC 0:00の基準値82,020ドルから−0.03%。前日の基準値(10/18)81,408ドルからは+0.75%
Nasdaqが+1.11%、実質金利が+6bpだった日に、BTCはほぼ横ばい。株の反発の追い風と、実質金利の上昇の逆風が打ち消し合った。金の−0.70%より下げは小さく、前号とは逆に、代替資産のうち金のほうが売られた。
現物ETFの資金フローは、10/16分・10/19分とも未確認(Farsideの表を取得できなかった)。
情報元:
Volatility
VIX:18.44(10/19終値、10/16の19.99から−1.55、−7.75%、Yahoo Finance ^VIX。10/16の19.99はFRED VIXCLSと一致)
日経VI:31.23(10/19終値、10/16の32.17から−0.94、−2.92%、Yahoo Finance ^NKVI.OS)
米国の恐怖は半導体の反発で和らぎ、東京は30を超えたまま。日米の比は1.6倍から1.7倍へ少し広がった。米国株の戻りが金利上昇の中で続くかを、VIXが18台を保てるかで見る。
情報元:
今日の資金フロー
総括:金曜に国債へ逃げた資金が株に戻り、その分だけ実質金利が上がった。原油は限月で割れて期待インフレを動かさず、金は実質金利とドルの逆風を正面から受けた。
マーケットポジション(中期の歪み)
最大の歪みは、「株が戻ると、金利が上がる」という組み合わせである。10/16は株安で実質金利が下がり、10/19は株高で実質金利が上がった。国債が株の逃避先としてだけ動いている間は、AI関連株の反発がそのまま金利の上昇になり、株の戻りの天井を自分で作る。
二つ目は、原油の限月の歪み。WTIの11月限103.66ドルと12月限98.54ドルの差は5ドルを超え、満期を前に期近だけが買われた。同じ12月限どうしでは、Brent109.55ドルとWTI98.54ドルの差は約11ドルある。ホルムズ海峡の通過量が戻りつつあるという見方と、フーシ派の攻撃・イランの主張という材料が、限月と地域ごとに違う値をつけている。期近の値だけを見ると原油高を読み違える。
三つ目は、金の三軸のねじれ。地政学の材料は続いているのに、金は4,172ドルを2度抜けず、実質金利とドルが上がった日には素直に下げた。足元の金は、地政学よりも実質金利で動いている。
Next Flow(短期)
シナリオA:実質金利の上げが一服し、金が4,166ドルを戻す
シナリオB:国債の売りが続き、金が4,133ドルを割る
シナリオC:原油が地政学で再び動き、期待インフレが主役に戻る
Market Bias(短期)
中立。半導体が買い戻され株の恐怖は和らいだが、その分だけ国債が売られ、実質金利とドルが上がった。金にとっては追い風が逆風に変わった一日で、株と金のどちらにも一方向の流れは出ていない。
最優先の監視項目は3つ。
- 金利:10年債5.15%と実質金利2.80%の上げが、10/20のSpaceX、10/21のメタ・テスラ決算まで続くか
- 原油:WTI11月限の満期(10/20)後の12月限の値と、Brentの110ドル。米・イランの交渉の行方
- 金の4,133ドル(10/8確定値)の維持と、4,166ドル(10/16確定値)の回復
本日の市場スケジュール(JST)
- 10/20(米国時間)WTI11月限の満期、SpaceXの決算
- 10/21(米国時間)メタ・プラットフォームズ、テスラの決算
- 10/23 日本9月全国CPI、米欧の10月PMI速報、米ミシガン大学消費者信頼感指数
- 10/27〜28 FOMC
情報元:
- The Globe and Mail(Nasdaq climbs as chip and AI-linked stocks bounce back、2026/10/19)
- Rigzone/Bloomberg(Oil Prices Hover Near Five-Month High、2026/10/19)
- CMC Markets(The Week Ahead: UK CPI, Meta and Tesla earnings、2026/10/16)
2026/10/20 08:35 JST 時点。主要トリガーは半導体の買い戻しとNasdaqの+1.11%、実質金利だけで6bp上がった米10年債、フランス発のユーロ安、満期前に急伸したWTI11月限、反落した金。