2026/10/06(火)|Nasdaqが最高値を更新、米10年債は5.31%へ上昇。ドル高で金は4,130ドル台と戻りが鈍く、日経平均は+2.40%の6.99万円
10/5の米国は、ISM非製造業が54.9と予想(55.1〜55.2)をわずかに下回ったが、米10年債は5.31%へ上昇し実質金利も2.95%まで上げた。それでもNasdaqは+1.05%で最高値を更新し、S&P500は+0.66%。ドル指数は102.24へ上昇し、金の現物は4,130ドル台で戻りが鈍い。日経平均は半導体株に牽引されて+2.40%、69,946円で引けた。
- ISM非製造業は54.9(予想55.2、前回55.4)。それでも米10年債は5.31%(+3bp)、実質金利は2.95%(+3bp)と上昇(財務省)。
- Nasdaqは27,477.31(+1.05%)で最高値、S&P500は7,773.95(+0.66%)。日経平均は69,946.86円(+2.40%)。
- 金の現物は4,130ドル台(日中、時点により4,128〜4,141ドル)。現物の終値は出所が割れ、未確認。
- WTIは89.43ドル(−1.84%)、ドル指数は102.24(+0.32%)。欧州の財政不安でユーロが17か月ぶり安値。
- BTC現物ETFの資金フローと日経VIの10/5分、日本10年債の10/5分は未確認。
- レジスタンス4,300心理的節目。出典のある水準ではなく節目としての目安
- レジスタンス4,2309/28に割り込んだネックライン
- レジスタンス4,2199/30の日中高値(4,219.24ドル)
- 現在値4,13510/5の現物(日中、4,128〜4,141ドル)。終値は未確認
- サポート4,1119/28の日中安値(4,110.87ドル)。10/5の日中値は割り込んでいない(終値未確認のため確定ではない)
- サポート4,000心理的節目。出典のある水準ではなく節目としての目安
2026/10/06 08:40 JST(10/5の米国セッションを扱います。10/5の日経平均は東京時間の終値で、この米国セッションより前の動きです)
Macro Theme
前号は、ISM非製造業が景気減速を示せば長期金利が下がり、金は4,219〜4,230ドルを試すと書いた。ISM非製造業は54.9(予想55.2、前回55.4)と予想をわずかに下回った。ところが米10年債の利回りは5.31%と前週末(5.28%)から3bp上昇し、実質金利も2.95%へ上がった。価格が上がったのは長期債ではなく、金利の側である。ISMの価格指数が74(前回72.6)へ上がったことも、金利低下を妨げた可能性がある(推測を含む)。
株はそれを意に介さなかった。Nasdaqは+1.05%の27,477.31で最高値を更新し、S&P500は+0.66%、ダウは+0.18%。Nvidiaなど生成AI関連が牽引したと伝えられている。
ドルは上昇した。DXYは102.24(+0.32%)。欧州ではフランスの財政不安とスペインの政治不安でユーロが17か月ぶりの安値をつけ、ユーロの下落がドル指数を押し上げた形である。金は日中に4,128〜4,141ドルをつけ、戻りが鈍い。
Market Drivers
① ISM非製造業は小幅な下振れ、価格指数は上昇
9月のISM非製造業景況指数は54.9で、予想(55.2)と前回(55.4)をいずれも下回った。ただし50を大きく上回る拡大圏で、価格指数は74(前回72.6)と上がった。
景気の減速は小幅で、物価の圧力は残った。金利を下げる材料としては弱かった。利上げ観測は前週の雇用統計で後退済みで、この指標だけでは追加の織り込みが進まなかった。
② 世界的な債券売りと、ユーロ安
米10年債は5.31%と2002年以来の高水準圏にとどまる。欧州ではフランス債とドイツ債の利回り差が約160bpと、2011年以来の水準に広がったと伝えられている。ユーロは対ドルで17か月ぶりの安値をつけた。
欧州の財政・政治不安が、ドル高と世界的な長期金利の高止まりに働いた。ドル高と実質金利の上昇は、金にとって二重の逆風になる。
③ AI関連株が相場を支え、日経平均も大幅反発
日経平均は+1,637円(+2.40%)の69,946.86円で、8/17以来の6万9,000円台を回復した。アドバンテスト、東京エレクトロンなど半導体株の寄与が大きかった。
米国で金利が上がっても、AI・半導体株には資金が入り続けている。10/5の米株高は本日10/6の東京市場に反映される。
情報元:
- Yahoo Finance(Stock market today、2026/10/05)
- Investrade(Market Review: October 05, 2026)
- CNBC(Euro hits 17-month low as political uncertainty in Spain and France rattles markets、2026/10/05)
- 株探(日経平均5日大引け、2026/10/05)
金利(起点)
米10年債利回り:5.31%(+3bp。財務省 日次イールドカーブ、10/5。前日5.28%)
米2年債利回り:4.84%(+1bp。財務省)
米30年債利回り:5.66%(+3bp。財務省)
日本10年債利回り:3.097%(10/2。財務省の最新掲載分で、10/5分は未掲載)
実質金利(TIPS10年):2.95%(10/5、財務省 実質利回りカーブ。前日2.92%)
期待インフレ率(10年BEI):2.36%(10/5時点、FRED T10YIE)
前号は「ISMが弱ければ10年債は5.2%を割る」と置いたが、割らなかった。年限別では2年債の上昇が+1bpにとどまり、長期側(10年+3bp、30年+3bp)が上げた。利上げ観測の後退は2年債に出る一方、長期債は別の力で売られている。
10/5の名目の上昇(+3bp)は、実質金利の上昇(+3bp)と一致する。期待インフレ率は2.36%で横ばいだった。金にとっての逆風である実質金利は、2.95%と前日から一段高い。
情報元:
- 米財務省(Daily Treasury Par Yield Curve Rates 2026)
- 米財務省(Daily Treasury Par Real Yield Curve Rates 2026)
- 財務省(国債金利情報 jgbcm.csv)
- FRED(T10YIE 期待インフレ率10年)
ドル
DXY:102.24(+0.32%、10/5。複数の報道で+0.3%台)。日中高値は102.54と伝えられている
USD/JPY:158.08円(Investradeの表示値。終値かは未確認)
ドルは欧州不安によるユーロ安と米長期金利の高止まりを背景に上昇し、前号で触れた「102割れ」を1営業日で戻した。弱い雇用統計の効果は、ドルの上では消えた。
情報元:
- Investrade(Market Review: October 05, 2026)
- CNBC(Euro hits 17-month low、2026/10/05)
- Trading Economics(DXY)
商品
WTI:89.43ドル(−1.84%、10/5の清算値。前日91.11ドル。Investrade)。ほかに89.24〜89.26ドルとする出所があり、清算値の小数点以下は出所で割れている
Brent:100.32ドル(清算値、Investrade。Trading Economicsは101.31ドルと表示しており、限月・時点の違いとみられるが未確認)
金(現物):4,130ドル台(日中、4,128ドル(米東部12:18時点)〜4,141ドル。出所により時点が異なる)。現物の終値は未確認。12月限の金先物は4,156.80ドルで清算(−5.50ドル、−0.13%、Investrade)。Yahoo Financeは別の値(4,168.40ドル、+0.28%)を表示しており、先物・現物のどちらの値かが決まらなかったため採らない
Macro Drivers(三軸)
実質金利:2.95%で前日から上昇。ISMが小幅に下振れても下がらず、逆風が強まった
ドル:DXYは102.24へ上昇し、前号の「102割れ」から戻した。逆風
地政学:ホルムズ海峡は実質的に閉鎖が続くと伝えられ、イランは再開の条件を維持している。原油は反落したがBrentは100ドル前後を保ち、インフレと金利を通じて金に両方向へ働く
資金フロー結論
前号のシナリオAは「ISMが予想を下回れば金は4,219〜4,230ドルを試す」だった。指標はわずかに下振れたが、金利とドルが逆方向に動き、金は4,130ドル台で重いままだった。金は、材料の向きよりも実質金利とドルの水準に従っている。
情報元:
- Investrade(Market Review: October 05, 2026)
- CNBC(The price of gold today, Oct. 5, 2026)
- Kitco系の報道を引用したGoldTraders(Gold eases on strong dollar、2026/10/05)
- Trading Economics(Crude oil)
株
S&P 500:7,773.95(+0.66%)(10/5。Yahoo Finance、前日7,722.72。FREDは未反映)
Nasdaq総合:27,477.31(+1.05%)(10/5。最高値。Yahoo Finance)
ダウ平均:51,267.90(+90.94、+0.18%)(10/5。FRED DJIA)
日経225: 69,946.86(+1,637.40、+2.40%)。10/5の東京市場終値。半導体株が牽引し、8/17以来の6万9,000円台を回復した
米株は長期金利が上がる中でもNasdaqが最高値を更新した。ダウの+0.18%に対しNasdaqは+1.05%と、指数間の差が大きく、資金はAI・ハイテクに偏っている。
日経の上昇は、この米国セッションより前の東京時間の動き。10/5の米株高は本日10/6の東京市場に反映される。
情報元:
Crypto
BTC:85,946ドル(10/6 08:01 JST時点、CoinGecko)。24時間前(10/5 09:00 JST=10/5のUTC 0:00)の86,490ドルから−0.6%。10/4の基準値は84,743ドルで、10/5の基準値は前日から+2.1%
BTCは10/5のアジア時間までに86,000ドル台へ上げ、その後は横ばいから小幅安。Nasdaqが最高値を更新した日に、BTCは株ほど伸びなかった。
現物ETFの資金フローは、取得元(Farside)に接続できず未確認。
情報元:
Volatility
VIX:15.52(10/5、+0.21。Yahoo Finance。前日15.31は10/2のFRED VIXCLSと一致)
日経VI:10/5分は未確認
VIXは15台で、Nasdaqが最高値を更新する中でも低位にある。株の上昇に警戒感の高まりは見えない。日経VIの10/5分が取れていないため、日米の温度差は今号では比較しない。
情報元:
今日の資金フロー
総括:指標が弱くても長期金利とドルは下がらず、実質金利が金の重しになり続けている。株は金利を無視してAI関連に資金が集中した。金利と株の乖離は、10/8のFOMC議事要旨と10/14のCPIまで持ち越される。
マーケットポジション(中期の歪み)
最大の歪みは、「長期金利が2002年以来の高水準圏にあるのに、Nasdaqが最高値にあること」である。株はAIの業績期待で金利を打ち消しているが、実質金利が2.95%まで上がると、割引率を通じた圧力は続く(推測を含む)。
もう一つは、金が「弱い指標」ではなく「実質金利とドル」で動くこと。雇用統計の下振れでも、ISMの下振れでも、実質金利が下がらない限り金は戻れていない。
三つ目は、欧州の債券不安がドル高を通じて米国に波及していること。フランスとドイツの利回り差が2011年以来の水準に広がり、ユーロ安がドル指数を押し上げている。
Next Flow(短期)
シナリオA:FOMC議事要旨(10/8 03:00 JST)がハト派寄りで、長期金利が反落する
シナリオB:議事要旨がタカ派で、長期金利が高値を更新する
シナリオC:欧州の債券不安が拡大し、ドル高と金利高が続く
Market Bias(短期)
中立。実質金利とドルが高い間は金の戻りは鈍い。株は強いが、金利が上がる中での最高値であり、材料の向きが揃うまで方向は決めきれない。
最優先の監視項目は3つ。
- 10/8 03:00 JSTのFOMC議事要旨(9/15〜16開催分)と、10/14の米CPI
- 米10年債の5.31%と実質金利2.95%の方向。5.3%を割るか、5.35%前後の高値を試すか
- 金の4,111ドル(安値)と4,219〜4,230ドル(9/30高値・ネックライン)。ドル指数102.24と欧州債の動き
本日の市場スケジュール(JST)
- 東京市場:通常取引。10/5の米Nasdaq最高値を受けた寄り付き
- 10/8 03:00 FOMC議事要旨(9/15〜16開催分)、10/14 米CPI
本日10/6の米国時間の個別指標は未確認。
情報元:
2026/10/06 08:40 JST 時点。主要トリガーはISM非製造業の小幅な下振れ、長期金利とドルの上昇、Nasdaqの最高値更新。